早発排卵防止とは
今日紹介させていただくのは、早発排卵防止薬、セトロレリクスです。まずこの早発排卵防止、というちょっと耳慣れない作用から説明をはじめていきます。

子どもがほしいのになかなかできない、いわゆる不妊症は確実に増えており、同時に子どもを持つために体外受精という治療を必要とする女性が増えています。体外受精は排卵直前の卵子を女性の卵巣からとりだして、精子と受精させてから子宮に戻して妊娠をはかる技術ですが、この治療が成功するための最大のポイントは、いかに細胞として力のある卵子をえるかにあります。早発排卵防止薬セトロレリクスは、体外受精法で活力のある卵子をつくるための薬剤であり、後で出てくるように、この治療法における新しい強力な武器となるのです。
なぜ早期排卵防止が必要なのか
なぜ早発排卵の防止が活力のある卵子を得るために必要なのでしょうか。
その理由は、体外受精法では卵巣から卵子を採取しなければならないためです。女性の通常の月経周期では、卵子は月経開始後体内で10日ほどかけてゆっくり育った後、脳下垂体からLHというホルモンが大量に放出されることを引き金として約39時間後に卵巣から外に出ます。このときLHは排卵を起こすだけではなく、卵子の減数分裂を再開させて減数分裂第一分裂前期から、第二分裂中期へと進ませ、また細胞質の変化も起こして精子と受精できる状態に仕上げの成熟をさせる、二番目の大切な作用を持っています。そのため排卵前に卵巣から卵子を採取する必要がある体外受精法では、LHの刺激が起きて卵子が仕上げの成熟を完了し、かつ排卵が起きる前に採卵することが必要となり、現在の体外受精法では、人工的にLH作用のあるhCGというホルモンを注射して、その約34時間から35時間後に採卵を行います。ところが体外受精法では約10%くらいの確率で、hCGを注射する前に自然に下垂体からLHが放出されてしまう、「早すぎるLHの放出」が起きてしまい、こうなると、卵子は排卵されてしまったり、とれてもきちんとタイミングが取れていないので活力のある卵子が取れなくなったりします。セトロレリクスは、この早すぎるLHの放出を抑えることによって、早発排卵を防止する薬剤なのです。
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