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<スズケンDIアワー> 平成18年7月13日放送内容より スズケン

話題の新薬2006-2-


獨協医科大学
名誉学長 原田 尚

icon 放射性医薬品:フルデオキシグルコース

(資料1:「フルデオシグルコースの構造式」)

 この薬は、グルコースの2位の水酸基をPositron放出核である18Fで置換したグルコースの誘導体です。そしてグルコースと同様にグルコーストランスポーターを介して細胞内に取り込まれ、ヘキソキナーゼによってリン酸化を受けますが、グルコースとは異なって、リン酸化体として細胞内に留まります。腫瘍細胞、心筋虚血領域の細胞および癲癇原生領域の細胞では、グルコースの取り込みが変化しているので、これを診断に応用するのがこの薬の作用原理であります。この薬は、悪性腫瘍等の診断を目的にPET用の放射性診断薬として開発され、2005年の7月に承認されました。
 効能効果は、1,胃癌、乳癌、大腸癌、膵癌、悪性リンパ腫等や悪性腫瘍、悪性黒色腫瘍等の診断ですが、悪性腫瘍の診断が疑わしく、他の検査、画像診断等で診断が不能の場合。2,左室機能の低下した虚血性心疾患による心不全患者。3,難治性部分癲癇で外科手術が必要とされる場合です。用法・用量は、通常、成人では本薬1バイアル185MBqを静脈内に投与し、撮影いたしますが、投与量は年齢、体重により適宜増減し、最少量は74MBq、最大量は370MBqまでとされております。基本的な注意として、診断上の有益性が被爆による不利益を上回ると診断された場合、しかも投与量は最小限に留めるとされております。併用注意薬は、膵臓ホルモン、インスリンであります。検査値異常を含む副作用は、4.5%に見られ、気分不良、発熱などのほか尿潜血反応陽性、血中カリウム増加などが見られます。

 

icon 放射線治療に伴う口腔内乾燥症状改善薬:塩酸ピロカルピン

 放射線治療に伴う口腔内乾燥症状の改善薬:塩酸ピロカルピンについてお話します。

(資料2:「塩酸ピロカルピンの構造式」)

 頭頸部の悪性腫瘍に対しての放射線治療では、正常の唾液腺が照射部位に入ることが多いため、唾液腺機能の低下が起こり、重度の口腔内乾燥感や会話障害等の起ることがあります。この薬は、ムスカリン受容体に作用する副交感神経刺激剤であり、唾液分泌作用を示します。1994年に米国において認可され、世界27カ国で使用されており、わが国でも2005年の9月に薬価収載されました。効能・効果は、頭頸部の放射線治療に伴う口腔内乾燥症状の改善であり、通常、成人では、1回5mgを1日3回、食後に経口投与いたします。副作用は、58%に見られ、多汗、鼻炎、下痢、頻尿、頭痛その他であります。

提供 : 株式会社スズケン

      

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