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<スズケンDIアワー> 平成18年8月10日放送内容より スズケン

ペグインターフェロンアルファ?2b、リバビリン療法の適応拡大について


虎の門病院
副院長 熊田 博光

icon C型慢性肝炎治療の歴史

 今日は最近注目されているC型慢性肝炎の治療についてお話をいたします。
 C型肝炎が発見されたのは1989年ですが、すでに15年が経過しようとしております。C型肝炎については、1992年にわが国ではインターフェロン治療により、かなりの症例が治ることがわかっていました。しかし、当時はC型肝炎にインターフェロンの単独療法を行うと30%に肝炎が治癒する、すなわち健康な体を取り戻すことができました。その後、C型肝炎が治癒する人と、治癒しない人はどこが違うのかという研究がなされました。その結果、C型肝炎にはタイプがわが国では1b、2a、2bという3タイプあることがわかりました。
 また、ウイルス量も人によっては非常に少ない人と、また100万あるいは1000万キロコピー/mLといった非常に多い人がいることがわかりました。その結果、最も治りやすいのがジェノタイプ2aあるいは2bの低ウィルス量であり、最も治りにくいのは1bの高ウイルス量でした。
 実際にインターフェロン単独療法を約6ヶ月間行うと、2a、2bの低ウイルス量では約70%の人が治癒しましたが、1bの高ウイルス量ではその治癒率はわずか5%でした。そのため、インターフェロンを行っても20人に1人しか治らない1b高ウイルス量に対しては、あまり治療されなくなりました。

icon ペグイントロンとリバビリンの併用療法

 2001年になり、インターフェロンとリバビリンという抗ウイルス剤を使うことにより、1b高ウイルス量でも治療効果が上がることがわかってまいりました。実際、2001年から使われたイントロンAとリバビリンの6ヶ月投与では、約20%の人が治癒いたしました。その後、ペグインターフェロンといわれる週1回投与のインターフェロンが開発され、2004年12月7日に、ペグインターフェロンα-2bとリバビリンの併用療法を行うことにより、1b高ウイルス量の50%近い人が治癒することがわかりました。現在最も難治といわれている1b高ウイルス量に対しても、ペグインターフェロンとリバビリン、すなわちペグイントロンとリバビリン併用療法の48週間投与が最も一般的となりました。

(資料1:「虎の門病院におけるPeg-IFN+Ribavirinの併用療法施行例の治療成績」)

 そこで、虎の門病院におけるこのペグイントロンとリバビリンの併用療法48週間投与の成績をお示しします。年齢別に50歳以下、50歳から59歳、60歳以上の3群に分けてこの治療効果をみてみました。完遂例においては50歳以下では投与終了24週の時点、すなわち治癒率が65%と最も高く、50歳代では58%、60歳代では46%が治癒致しました。一方、副作用あるいは血球系の減少により治癒しなかった人たちをみると、50歳以下では33%がこのペグイントロンとリバビリンを中止しても治癒いたしましたが、50歳以上の治癒率は極めて悪い結果となりました。そのため、実際にペグイントロンとリバビリンが副作用で中止を起こしやすい人、すなわち赤血球の濃度ヘモグロビンが低い人や高齢者においては、現在このペグインターフェロンの量とリバビリンの量を一段階少なくして使用することをお勧めしています。

提供 : 株式会社スズケン

      

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