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<スズケンDIアワー> 平成18年9月14日放送内容より スズケン

話題の新薬2006―B


獨協医科大学
名誉学長 原田 尚

 この番組では、最近薬価収載された新薬の中から、特に注目される品目について解説しております。今回は、2006年度第3回目の「新薬情報」を紹介致します。

icon抗神経精神病薬 アリピプラゾール

(「構造式」)

 この薬は、ドパミンシステム・スタビライザーで、既存の抗精神病薬とは異なり、ドパミンD2受容体部分アゴニスト作用を有することから、ドパミン神経伝達が過剰活動の場合には、ドパミンD2受容体のアンタゴニストとして作用し、一方作動性神経伝達活性が低下している場合には、同受容体のアゴニストとして作用することが基礎実験で確認されております。さらに本薬は、セロトニン5-HT1A受容体部分アゴニスト作用及び、受容体アンタゴニスト作用を併せ持ち、これらの薬理学的特性から、統合失調症に対して有効性が想定され、また、錐体外路系の副作用が少なく、プロラクチン値が上昇しない等の特性も有しております。米国始め、世界60カ国以上で承認され、わが国では2006年1月に薬価収載されました。
 効能・効果は、統合失調症です。通常、成人では1日6〜12mgを開始用量、1日16〜24mgを維持用量とし、1回または2回に分けて経口投与します。年齢、症状により適宜増減しますが、最大量は30mgまでとされています。また、定常状態になるには約2週間を要するため、2週間以内には増量しないことが望ましいとされています。警告としては、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の重大な症状の起ることがあり、十分に注意する必要があります。この件については、患者及びその家族によく説明する必要があります。禁忌は、昏睡状態の患者、バルビツール誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者、エピネフリンを投与中の患者、本薬の成分に過敏症のある人等であります。併用禁忌薬は、エピネフリン、ボスミンであります。検査値異常を含む副作用は61%に見られ、不眠27%、神経過敏15%、アカシジア12%、振戦11%、不安、筋強剛、食欲不振、CPK上昇、プロラクチン低下、ALT上昇等がみられます。さらに重大な副作用としては、悪性症候群、発作性ジスキネジア、麻痺性イレウス、アナフィラキシー様症状、横紋筋融解症、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等があります。

icon虚血性脳血管障害後の再発抑制剤 硫酸クロピドグレル製剤

 虚血性脳血管障害後の再発抑制剤として、硫酸クロピドグレル製剤についてお話します。

(「構造式」)

 この薬は、フランスで創製された抗血小板剤であります。塩酸チクロピジンと共通のチェノピリジン骨格を有する化合物にカルボキシメチル基を導入した製剤で、肝臓で代謝生成された活性代謝物が血小板上のADP受容体に不可逆的に結合することによって、持続的に安定した血小板凝集抑制作用を示します。現在、欧米をはじめ世界106カ国以上で承認され、わが国でも本年の1月に薬価収載されました。
  効能・効果は、心原性脳塞栓症を除いた、虚血性脳血管障害後の再発抑制です。通常、成人では75mgを1日1回、経口投与しますが、年齢、体重などにより、1日50mgにすることもあります。禁忌は、出血している患者、本薬の成分に過敏症の人とされております。なお、出血傾向及びその素因のある人、重篤な肝・腎障害患者、高血圧、低体重の人には慎重に投与する必要があります。臨床検査値異常を含む副作用は、30%にみられ、皮下出血等の出血傾向、ALT、γGTPの上昇、ヘモグロビンの減少、白血球減少等であります。さらに重大な副作用としては、頭蓋内出血、消化官出血等の出血、肝機能障害、黄疸、血栓性血小板減少性紫斑病等があります。

提供 : 株式会社スズケン

      

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