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<スズケンDIアワー> 平成18年9月21日放送内容より スズケン

週1回投与骨粗鬆症療薬 アレンドロン酸ナトリウム水和物


産業医科大学整形外科
教授 中村利孝

icon骨粗鬆症治療の動向

 骨粗鬆症治療では、骨代謝のコントロールが重要です。骨代謝をコントロールすると骨折が防止されるという事実は、1996年に初めてアレンドロネートの大規模無作為化試験によって明らかにされ、臨床的エビデンスとして確立されたものです。その後、わが国の臨床試験でも骨折防止効果が良好で、身長の低下や背中の曲がりも抑制できることが明らかにされています。

(「構造式」)

 最近、カナダの疫学調査で、1990年代後半アレンドロネートの使用が開始され始めた時期と一致して、大腿骨頚部骨折の発生率が低下してきているというデータが報告されました。70歳以上の女性で大腿骨の骨折の年間発生率が1996年には5%以上であったのが、2005年には4.5%、男性で4%以上であったのが3.5%まで低下してきたということです。この事実は、臨床試験によって得られたエビデンスが、日常診療で再現されていることを示しています。わが国も今後、骨粗鬆症治療の普及により、大腿骨の頚部骨折が低下することを期待したいと思います。

iconわが国のビスフォスフィネート治療の現況

 骨粗鬆症のビスフォスフォネート治療は、欧米では2000年から1週間に1回の製剤が使われ、現在では90%以上の方々が週1回の製剤を利用されています。ビスフォスフォネートの週1回製剤は、服薬の手間が省けるため、わが国でも期待する声が多かったのですが、ようやくこの秋からアレンドロネートの週1回製剤が使用できるようになりました。

(「構造式」)

 私共がまとめた骨粗鬆症を診療している日本の医師751名の調査では、44%の方々がまだビスフォスフォネートを使用しておられませんでした。その理由として、24%の方々は毎朝起床時の服用には困難を感じること、また。23%の方々は副作用としての胃腸障害を心配しているとのことでありました。さらに、まだビスフォスフォネートをお使いになっておられない先生がたでも、約50%の方々は週1回製剤なら使ってみようとお考えになっておられました。

(「構造式」)

 次に、ビスフォスフォネートを服用されていて、途中で中止された患者さん113名の方々に聞き取り調査も行いました。その結果、10.7%の方々が毎日の服用が困難で、また46.7%の方々が、消化器症状を中心とした何らかの副作用により、服用を中止されていました。これらの方々のうち、62.8%の方々は週1回製剤が出たら服用してみたいと思っておられるということでありました。
 ビスフォスフォネートが骨粗鬆症に使用されたのは、エチドロネートが最初です。エチドロネートは破骨細胞による骨吸収を抑制する効果はありますが、同時に骨芽細胞にも作用して、骨組織のミネラル化を障害する作用もあります。そのため、2週間服用、10週間休薬という服用方法が行われました。エチドロネートでは2週間以上連続して使用すると骨のミネラル化が障害され、骨軟化症になる可能性があったからです。

提供 : 株式会社スズケン

      

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