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<スズケンDIアワー> 平成18年9月21日放送内容より スズケン

週1回投与骨粗鬆症療薬 アレンドロン酸ナトリウム水和物


産業医科大学整形外科
教授 中村利孝

iconアレンドロン酸ナトリウム水和物の薬物動態

 アレンドロネート週1回製剤というのは、このような骨のミネラル化障害を防ぐための使用法とは、根本的に異なります。アレンドロネートはミネラル化を抑制しません。アレンドロネートには、破骨細胞によって吸収されている骨組織の、まさにその部分に選択的に沈着するという性質があります。このため、破骨細胞は骨を吸収すると同時に、沈着したアレンドロネートも細胞に取り込んでしまい、アポトーシスをおこして消滅していきます。破骨細胞が消滅した後、アレンドロネートは骨の循環系を経て、尿に排泄されていきます。このようなアレンドロネートの骨吸収抑制作用を考えますと、1回にある程度まとめた量を服用することによって、薬の効果を延長できることが期待できます。もちろん、1回の服用で骨組織に分布する範囲には限界があります。また、まとめた量を服用することにより、消化器症状などの副作用がかえって増加することも懸念されます。
 そこで、ある程度まとめた量のアレンドロネートの、骨と消化管への作用が検討されました。動物ではラットの実験で1日量の連日投与、1日量の3.5倍を週2回、1日量の7倍量を週1回投与の3つの使用法が比較され、骨代謝、骨密度、骨強度に対する効果が検討されましたが、これはほとんど、この3群で同じであることがわかりました。

(「第V相二重盲検試験」)

 消化管への作用については、アレンドロネートによる胃腸障害の多くは、逆流性食道炎のある方で、胃酸が食道へあがってくることが原因であるということが明らかになっています。そこで、ビーグル犬での食道炎モデルを作って検討されました。胃酸とアレンドロネートの一定量を別々に30分間、直接、食道に連日投与しても食道炎はおきませんでしたが、酸の濃度を上げてアレンドロネートと同時に注入すると、5日間の連日投与で食道炎が生じました。しかし、胃酸と4倍量のアレンドロネートを週1回、4週間連続して投与しても、食道炎は生じませんでした。さらにそのメカニズムを検討したところ食道炎の発症には投与間隔が関係し、1回投与量が多いことは食道炎の発症には影響しないということが明らかになりました。この事実から、投与量を上げて投与間隔を減らすことは、アレンドロネートの消化器症状を増悪せず、むしろ軽減する作用があるということが明らかになったわけです。

提供 : 株式会社スズケン

    

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