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<スズケンDIアワー> 平成18年10月19日放送内容より スズケン

添付文書の副作用の中に見られる症候群(9)悪性症候群


帝京大学
名誉教授 清水直容

icon悪性症候群とセロトニン症候群

悪性症候群とセロトニン症候群

 悪性症候群は、脳内のドーパミン濃度の急激な上昇によるとされており、急速に増量した後に数日から数週間かかって徐々に発症するものです。その症状としては最初に少し触れましたが、意識障害や原因不明の高温、筋の強剛(錐体外路)があり、当然ドーパミンが関係しているのでパーキンソン病に似たところもあります。その他に発汗、頻脈、尿閉、嚥下困難、腎不全、あるいはDICを合併した多臓器不全などの非常に重い症候が出てきます。セロトニン症候群の方は不安や焦燥、興奮などで丁度鬱と逆の症候になりますが、脳内のセロトニン活性の異常上昇によって起ると考えられております。これまでの主要な抗鬱薬はノルアドレナリン再取り込み阻害薬(NARI)が多かったのですが、先ほどのSSRIやモノアミンオキシダーゼ阻害薬(タイプAとタイプBの阻害薬がある)が、臨床で多く使われてきているようです。

悪性症候群の記載のある医薬品

 悪性症候群の記載のある医薬品は、最初に申しましたように77の品目、570製剤ありますが、単に抗精神病薬だけではなくて、抗ウイルス薬や消化性潰瘍薬、その他に抗パーキンソン病薬などにも、悪性症候群が記載されております。

悪性症候群とセロトニン症候群の鑑別

 そこで、悪性症候群とセロトニン症候群はどういう鑑別をすべきか、臨床症状に違いがあるかをお話したいと思います。悪性症候群は、ドパミンアンタゴニストですが、セロトニン症候群の薬剤はセロトニンのアゴニストです。症状の発現は、悪性症候群では通常数日から数週間かかりますが、セロトニンの方は数分くらいから数時間で起ります。臨床症状は多くのものが同じですが、悪性症候群の方が発熱も意識変化も自律神経症状も筋の強剛も起こる率が非常に高いのですが、セロトニン症候群では交感神経の刺激症状が多いのです。治療も悪性症候群ではドパミンアゴニストが悪性症候群を改善させますが、セロトニン症候群では、セロトニンのアンタゴニストが改善するというものです。前回のセロトニン症候群と悪性症候群との共通点や違った病態について風祭論文も参考にお話しました。

まとめ

提供 : 株式会社スズケン

      

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