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<スズケンDIアワー> 平成18年11月02日放送内容より スズケン

話題の新薬2006-C


獨協医科大学
名誉学長 原田尚

icon閉経後の乳癌治療薬レトロゾール

 閉経後の乳癌治療薬:レトロゾールについてお話します。

レトロゾールの構造式

 閉経後の乳癌のホルモン療法としては、従来エストロゲン受容体を阻害する抗エストロゲン剤のほか、エストロゲン合成経路における律速酵素であるアロマターゼを選択的に阻害するアロマターゼ阻害剤によって血漿中および腫瘍内のエストロゲン濃度を抑制し、腫瘍を退縮させることが知られてきました。これまでは塩酸ファドロゾールが使用されてきましたが、今回はより特異的で、より強力な薬剤として本剤が開発され、2006年の1月に薬価収載されました。
 効能・効果は閉経後の乳癌です。用法・用量は通常、成人では1日1回2.5mgを経口投与いたします。禁忌は妊婦または妊娠している可能性のある婦人、授乳婦、閉経前の患者、本薬の成分に過敏症の人などです。また、慎重投与は重度の肝障害・腎障害患者、併用注意薬としてはメトキサレン、アゾール系の抗真菌薬、リファンピシンなどがあります。検査値異常を含む副作用は41%に見られ、火照り、頭痛、関節痛、悪心、発疹、掻痒症のほか、血中コレステロールやALT、ALP、γ-GTPなどの増加の見られることがあります。さらに重大な副作用としては血栓症、塞栓症があります。

icon遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモン剤ホリトロピンアルファ

 次に、遺伝子組み換えヒト卵胞刺激ホルモン剤として、ホリトロピンアルファについてお話します。

ホリトロピン アルファの構造式

ホリトロピン アルファの構造式

 この薬は遺伝子組み換えヒト卵胞刺激ホルモン(r-hFSH)製剤で、チャイニーズハムスターの卵細胞を用いて作製され、純度の高いヒトFSH製剤の安定供給が可能となりました。1999年、欧州において「先天性または後天性の低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症に対する精子形成の刺激」の目的で承認され、世界56カ国で使用されてまいりました。本薬は単独で外性器の発育を含む二次性徴の発現に有効でありまして、我が国においても本年の1月に承認されました。
  効能・効果は低ゴナドトロピン性の男子性腺機能低下症における精子形成の誘導であります。用法・用量について、本薬はhCG(胎盤性性腺刺激ホルモン製剤)と併用する必要があります。hCG製剤の投与によって、血中テストステロン値が正常範囲内にあること及び無精子であることを確認した後に、本薬を1回150国際単位 1週3回皮下投与いたします。精子形成の誘導が認められない場合には、1回に最大300国際単位 1週3回を限度として適宜増量いたします。国内における臨床試験では、本治療法を6〜18月間行い、18例中16例で精子濃度が150,000/mL以上に到達し、17例において精子形成が認められております。基本的注意としては、投与開始前にゴナドトロピン、テストステロン、プロラクチン等の内分泌検査を十分に行うこと。また、ゴナドトロピンが高値を呈する原発性の精巣不全患者を除外することとされております。臨床検査値異常を含む副作用は18症例中14症例、28件に見られ、挫瘡、脱毛症、精索静脈瘤、体重増加、不眠症、注意力障害等であります。なお重大な副作用としてはアナフィラキシー反応が見られることがあります。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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