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<スズケンDIアワー> 平成18年11月30日放送内容より スズケン

消化性潰瘍剤―ランソプラゾール


大阪府済生会中津病院消化器内科
部長 蘆田 潔

iconPPIとH2受容体拮抗剤の酸分泌抑制力

 プロトンポンプ阻害剤とH2受容体拮抗剤の特徴を知っておくことは、臨床の現場では重要なことなので、次の2点について触れておきたいと思います。ひとつは、酸分泌抑制作用の相違点です。H2受容体拮抗剤は、酸分泌抑制作用の発現が速やかで、静注後4時間まではプロトンポンプ阻害剤よりも胃内pHの立ち上がりは速やかと言われていますが、2日目以降では、プロトンポンプ阻害剤のほうが強力かつ持続的な酸分泌抑制作用を得ることができます。これは、H2受容体拮抗剤の耐性に関連しています。H2受容体拮抗剤は、継続投与すると耐性が出現して、数日以内に酸分泌抑制作用が減弱します。この現象をタキフラキシーと呼ぶこともあります。

腎機能患者に対するH2ブロッカーの投与方法

 もうひとつは、H2受容体拮抗剤では、腎障害の程度に応じて、投与量の調節が求められている点です。プロトンポンプ阻害剤が肝排泄型薬剤であるのに対し、H2受容体拮抗剤は、腎排泄型薬剤であるため腎機能低下による体内貯留をきたします。高齢者は腎機能低下を伴っていることが多いので、この点について十分な配慮が必要です。すなわち、臨床の現場では、双方の薬剤の特徴を生かして、個々の症例に応じた使い分けが重要です。わが国は、高齢化社会を迎え、アスピリンやNSAIDsの消費量が増えると共に上部消化管出血例の増加が推測されています。ランソプラゾール注射剤の登場により、治療剤の選択肢が増え、出血患者の予後が改善することを期待します。

提供 : 株式会社スズケン

      

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