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<スズケンDIアワー> 平成18年12月07日放送内容より スズケン

パーキンソン病治療薬ロピニロール


自治医科大学内科学講座神経内科部門
助教授 藤本 健一

 このたび新しいパーキンソン病治療薬、ロピニロール(商品名レキップ)が発売されました。ロピニロールは、第6番目のドパミンアゴニストになります。6番目と聞くと、そんなに何種類もドパミンアゴニストが必要なのだろうか、と思われる先生方も多いと思います。では、降圧薬のカルシウム拮抗薬は全部で何種類あるでしょうか?降圧効果という点から見ますと、どの薬も大差ないように思われます。しかし、ドパミンアゴニストの違いは、カルシウム拮抗薬の違いというよりも、ちょっと大袈裟な表現かもしれませんが、利尿薬、β-ブロッカー、ABRの違いぐらい大きなものだと思います。

iconパーキンソン病治療の歴史

 パーキンソン病は1817年、ジェームス・パーキンソンにより報告されましたが、治療薬の登場は1949年のアーテンまで待たなければなりませんでした。抗コリン薬であるアーテンは、それほど強力な薬ではありませんでしたので、当時は治療しても発症後5年くらいで歩けなくなる疾患であると考えられていました。パーキンソン病治療を飛躍的に進歩させたのは、1960年代に開発されたL-dopaです。その劇的な効果の前に、当時の人々は、もうこれでパーキンソン病の治療は完結したものと思いました。しかし、L-dopaの服薬期間が長くなると、wearing-off現象やジスキネジアなど、運動合併症が出現するようになりました。これは、作用時間の短いL-dopaによるドパミン受容体のパルス状の刺激が原因であることが明らかとなり、その解決策として作用時間の長いドパミンアゴニストが開発されました。

わが国で使用可能なドパミンアゴニスト

 当初のドパミンアゴニストは麦角構造を持っていました。1985年に、まずブロモクリプチンが使用可能になり、1994年にはぺルゴリド、そして1999年にはカベルゴリンが登場しました。その後、非麦角構造を持った薬が開発され、2004年になるとプラミペキソール、そして今回ロピニロールが登場しました。ただし、ドパミンアゴニストが出たからといって、L-dopaが不要になったわけではありません。その強力な治療効果から、L-dopaは現在でもパーキンソン病治療にとって欠くことのできない薬です。パーキンソン病治療の基本薬は、このL-dopaとドパミンアゴニストです。その使い分けは、「日本神経学会のパーキンソン病治療薬ガイドライン2002」に示されています。これによりますと、若年発症の患者ほど、L-dopaによる運動合併症が起こりやすいので、70歳あるいは75歳以下の患者では、ドパミンアゴニストから治療を開始することが推奨されています。一方、高齢の患者や認知症を伴うときは、ドパミンアゴニストによる精神症状が問題になるので、L-dopaから治療開始することが推奨されています。

 
提供 : 株式会社スズケン

      

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