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<スズケンDIアワー> 平成18年12月14日放送内容より スズケン

ファブリー病治療薬アガルシダーゼアルファ


東京慈恵会医科大学小児科 教授
衛藤 義勝

icon ファブリー病の病像

 本日はファブリー病治療薬、アガルシダーゼアルファについてお話させていただきます。ファブリー病治療薬のアガルシダーゼアルファは、ファブリー病の治療薬として極めて有効な治療薬でございます。まず、この治療薬についてご説明する前に、ファブリー病とは何かということをご説明させていただきます。

fabry病の主な臨床症状

 ファブリー病は、細胞のリソゾーム中の酵素が先天的に欠損して、そのために細胞あるいは臓器の中にGL3と言われる糖脂質が蓄積することにより、さまざまな病態をきたす疾患です。特に血管壁に脂質が蓄積し、そのために腎不全、心不全、脳梗塞、その他、さまざまな臓器の障害が出る疾患です。この病気は、遺伝的にはX連鎖の遺伝形式、女性にも症状が出るということで、X連鎖の優性遺伝形式をとる疾患と思われます。通常は、発症頻度として、約4万人に1人と言われています。透析患者の約0.2〜0.5%は、このファブリー病の患者がいると言われています。わが国では、23万人の透析患者がいますので、約1,000人程度のファブリー病患者がいるのではないかと考えられております。また、左室肥大の3〜4%はファブリー病であると言われております。さらに女性患者の左室肥大でも12%はファブリー病ではないかと言われております。
 最近、イタリアで、新生児のマススクリーニングをこの病気について行いました。この病気では、αガラクトシダーゼが先天的に欠損しているのですが、この酵素を新生児期に測定してみましたら、約3,100人に1人の率でこの病気が見つかったそうで、そういう意味では、比較的頻度の多い遺伝病と言われております。

Fabry病の症状の進展

 症状としては、子どもの時期から種々の痛み、汗をかかないという症状で、非常に痛みが強いというのが特徴です。思春期から青年期に至りますと、皮膚にアンギケラトーマ、皮膚の血管に角被腫が、特に陰茎部や大腿、あるいは腹部に見られ、このことから、患者が見つかることもあります。角膜混濁があり、蛋白尿が早い時期から見つかります。そのために、腎臓内科でも見つかることが多く、30〜40歳代になりますと、腎不全に移行します。心臓の症状もあり、最初は胸痛であり、その後不整脈などで見つかります。40〜50歳代で心不全で亡くなるという経過をとることが多くあり、30歳代で突然死される患者もおられます。また、脳梗塞によることが多く、頭痛、めまい、意欲低下、その他デプレッション等、神経精神症状を伴うこともあります。その他、難聴も見られ、各科にまたがった症状が見られるのが特徴です。従って、皮膚科、眼科、腎臓内科、循環器内科、神経内科、耳鼻科等に、この患者が訪れることがあります。多くの患者は、男性では40〜50歳で腎不全、心不全で亡くなる方が多いわけです。女性患者でも症状が出、特に心症状(胸痛、不整脈など)が40〜50歳で出ます。腎不全は男性患者と比べて比較的少ないのですが、数%の患者で腎不全になる方がおられます。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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