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<スズケンDIアワー> 平成18年12月14日放送内容より スズケン

ファブリー病治療薬アガルシダーゼアルファ


東京慈恵会医科大学小児科 教授
衛藤 義勝

icon ファブリー病の早期治療

 治療薬は、2000年に開発されました。このファブリー病の治療薬は、欠損酵素がα-ガラクトシダーゼという、ライソゾーム酵素で、この酵素をCHO細胞から大量に採る技術が開発されました。2週間に1回、静脈注射するだけで、治療効果があり、体重あたり1mg/kgという用法で2週間に1回、注射します。

酵素治療1〜2年後のGFRの変化

 臨床試験は、2000年の8月に私共が行いまして、12名の患者で6ヶ月間投与しました。血中の蓄積物質は、投与後約4週間で消失し、腎臓の内皮細胞、特に血管内皮細胞では、投与後6ヶ月で、蓄積物質が消失しています。皮膚や心臓の血管等、特に血管内皮細胞では、著明な蓄積物質の低下が認められています。
 最近、長期試験の結果も出ており、すでに4年、5年の酵素治療の結果が出ております。治療開始前の血清クレアチン値が1.5mg/dL以下なら、腎機能は悪化せず、腎不全にならずに済むという結果が出ており、また、心臓の肥大に対する治療効果も出ています。この疾患は腎不全あるいは心不全で亡くなるわけですが、腎臓あるいは心臓に対して治療効果が出ていることから、非常に患者に対する長期の臨床効果が出ていると言えます。特に女性患者は効きやすいと言われています。女性患者の場合、血清酵素に対する抗体ができにくいということもあり、より効果が出ると言われております。

酵素治療1〜2年後のQOLの改善度

 この疾患は、胎児期から、徐々に全身臓器に、GL3が蓄積していくわけですが、この酵素治療をできるだけ早期に実施することにより、この臓器が傷害する前に、この蓄積物質が軽減されれば、より良い臨床効果が得られると考えられます。特に治療効果のある臓器として、血管が最も効きやすいと考えられます。従って、血管内皮細胞に蓄積した脂質を取り除くことにより、脳梗塞あるいは腎不全などの症状を予防することができるわけです。皮膚細胞あるいは肝臓、脾臓に溜っている脂質にも効果的です。心臓、腎臓が、比較的効果が出にくい臓器、細胞ですが、早期治療によって、治療効果が挙がると考えております。

 

提供 : 株式会社スズケン

    

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