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<スズケンDIアワー> 平成19年1月11日放送内容より スズケン

速放性癌性疼痛治療薬オキシコドン


埼玉医科大学国際医療センター包括的がんセンター 緩和医療科 教授
奈良林 至

icon オキシコドン散の薬物動態

 癌性疼痛治療薬で、このほど承認されたオキシコドン塩酸塩の速放性製剤についてお話しします。本剤は散剤であり、以下「オキシコドン散」と呼び、同じくオキシコドン塩酸塩の徐放性製剤は2003年7月に発売されたオキシコンチン® で以下「オキシコドン徐放錠」と呼ぶことにします。
オキシコドン散は白色の散剤で、剤形として2.5mgと5mgという2種類のSP包装の規格があります。1包2.5mgのものは0.5g中オキシコドン塩酸塩2.5mgを、1包5mgのものは1g中オキシコドン塩酸塩を5mg含有しています。
オキシコドンの原薬には苦味があり、飲みやすくするために粉末還元麦芽糖水アメとDマンニトールを添加物として配合しています。
 また、溶出試験の結果から、オキシコドン散は主成分のオキシコドン塩酸塩が溶出しやすいことが明らかになりました。試験液のpHによる影響はなく、5分後にはほぼ100%の溶出率を示しました。水に溶けやすい製剤といえます。

オキシコドン散、オキシコドン除法錠単回投与時の血漿中オキシコドン濃度推移

 オピオイドが投与されていない日本人の癌性疼痛患者に、オキシコドン散2.5mgと5mgをそれぞれ食後に単回投与したときの薬物動態ですが、オキシコドン散5mgを単回投与した時の血漿中オキシコドンの最高血中濃度は13.7ng/mL、患者の条件は違いますが、やはりオピオイドが投与されていない日本人癌性疼痛患者にオキシコドン徐放錠5mgを単回投与した時の最高血中濃度は7.8ng/mLでした。
また、オキシコドン散5mg投与時の最高血中濃度に達するまでの時間と半減期は、それぞれ1.7時間、4.5時間でしたが、オキシコドン徐放錠5mg投与時はそれぞれ3.5時間、9.5時間でした。
このように両剤の薬物動態を比較しますと、オキシコドン散が速放製剤であることがおわかりいただけると思います。
 また、オキシコドン散の副作用は、安全性評価対象症例71例中45例、63%に認められました。
 主なものは便秘、嘔気、眠気、嘔吐、傾眠などオピオイドに共通のもので、オキシコドン散に特有の副作用は認められませんでした。なお、嘔気・嘔吐、便秘については、十分な副作用対策を講じることが治験実施計画書に規定され、オキシコドン徐放錠が認可された時のデータより副作用発現頻度は少なくなっていました。  

icon オキシコドン散の効能・効果

 オキシコドン散の効能・効果は、「中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛」です。用法・用量は、「通常、成人にはオキシコドン塩酸塩(無水物)として1日10〜80mgを4回に分割経口投与する。なお、症状に応じて適宜増減する。」となっています。速放製剤によって1日の必要量をすみやかに滴定し、徐放製剤に切替える、という経口モルヒネと同様の使い方が基本です。
 まず、定時投与の方法ですが、原則的には1日4回、6時間ごとの投与となります。オピオイド系鎮痛剤の未使用例では、オキシコドン塩酸塩として1日10〜20mg、モルヒネ製剤経口投与からの切替え例では、モルヒネ製剤1日量の2/3を1日量の目安とします。増量する時は、2.5mgから5mgへの増量を除き、使用量の25〜50%増とし、減量する場合は、退薬症候が現れないように急激な減量は行わないようにします。臨時追加投与、レスキュードーズとしてオキシコドン散を使用する場合、1回の投与量は、定時投与中のオキシコドン塩酸塩経口製剤の1日量の1/8〜1/4を経口投与すること、となっています。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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