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<スズケンDIアワー> 平成19年1月18日放送内容より スズケン

エストラジオールジェル製剤


東京医科歯科大学
名誉教授 麻生武志

icon閉経前後のエストロゲンの変化

 本日は、日本で初めて新剤型医薬品として承認されました経皮エストラジオールジェル製剤「ル・エストロジェル」をご紹介いたします。
 更年期の女性を悩ます更年期障害は、突然上半身が熱くなり、著しい発汗を来たし、時には動悸やめまいを伴い、またその後に手足に冷えを自覚する血管運動神経症状が典型的な症状であり、頻回に持続的に発症しますと日常生活の大きな支障となります。欧米の更年期女性が訴えるHot flushの頻度は、日本女性では比較的に低いと言われていますが、それでも約20%の日本の更年期女性に見られます。主に更年期に入って起こる卵巣機能の低下が引き起こす自律神経失調が原因となり発症しますが、詳細な機序に関しては現在も不明な点が残されています。
 この更年期障害に対する有効な治療法としてホルモン補充療法(以下HRT)が、臨床に導入されてから約40年になります。卵巣での産生が低下するエストロゲンを補充するHRTが、更年期での急激なホルモンバランスの乱れを調整することで更年期障害を改善するとのエビデンスが蓄積され、現在でもこの治療法に勝る方法はありません。
 2002年に発表されたアメリカでの大規模臨床試験で、HRTのリスクが報告されましたが、その結果をもとにHRTのあり方が種々再検討された今日、更年期障害に対する一人一人の女性に適したHRTの有用性が再確認されています。この一人一人の女性に適した、個別化したHRTを行うには、どのようなエストロゲン製剤を、どのような方法と量で使用するかなどを検討しなければなりません。

iconエストロゲン製剤と体内動態

 それではまず、HRTで使用されているエストロゲン製剤の特性について述べてみたいと思います。本邦で現在HRTにおいて使用されている製剤としては経口剤,注射剤及び貼付剤があります。経口剤としては、結合型エストロゲンの内服薬が主に用いられており、永い歴史を有していますが、経口摂取後に先ず肝臓での初回通過効果を受けて代謝されるため、十分な治療効果を得るためには高用量を使用する必要があり、また肝臓への影響が大きくなることが知られています。次に注射剤では、注射後初期に一時的な高エストロゲン状態となり、その後は急激に低下するため、治療に必要なコンスタントな血中濃度をコントロールすることが困難であります。
 これらの問題点に対応するために経皮製剤として先ず貼付剤が開発されました。経口剤や注射薬と異なる特性を有していますが、皮膚に対する刺激性があり、また特に暑い夏に発汗・湿潤した皮膚になじまないなどのために使用を継続できない女性もあります。
 本日ご紹介する経皮エストラジオールジェル製剤は、このような問題を解消する製剤として開発され、1974年にフランスで発売されて以来,30年以上の使用実績を有しており,また欧米を中心に71ヵ国で販売され、高い有効性と安全性が確認されております。そして1995年より日本人における第T相臨床試験が開始され、第U相、第V相試験を経て、2006年に「更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う血管運動神経症状(Hot flush及び発汗)」を適応症とした日本初のジェル製剤として承認されるに至りました。

提供 : 株式会社スズケン

      

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