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<スズケンDIアワー> 平成19年2月22日放送内容より スズケン

高血圧治療用配合剤 ロサルタン・ヒドロクロロチアジド


埼玉医科大学病院腎臓内科
教授 鈴木 洋通

icon降圧と利尿薬

主要降圧薬の積極的な適応と禁忌

 

 それは、先程申し上げました様に利尿薬には、特に代謝面での欠点が多くあるからです。しかし、現在では利尿薬は少量使うということでその欠点をなるべく表に出さない。あるいは欠点が出てこないという処方も行われるようになってきました。しかし、一方でその様に少量の利尿薬では、充分な降圧が得られない。現在では、やはり血圧をより下降させる、すなわち、より安定して低い値に血圧値をもってくることが、求められる様になってきました。そういう時勢において、「利尿薬を少量使って本当にそれでいいのだろうか」ということが問題とされてきました。ここ10年、カルシウム拮抗薬が本邦では血圧をより良く下げる、しかも非常に優秀なカルシウム拮抗薬が本邦では多く開発されていることから、カルシウム拮抗薬が降圧という面から多く用いられてきました。しかし、この4〜5年の間にARBが急速な勢いで使われる様になってきました。同じレニン・アンジオテンシン抑制薬であるACE阻害薬は本邦では、カルシウム拮抗薬とほぼ同時に発売されたにもかかわらず、カルシウム拮抗薬が多く使われてきました。その理由はいくつか挙げられますが、カルシウム拮抗薬は、ACE阻害薬よりもまず第一に降圧が優れていた、さらに本邦の日本人ではACE阻害薬は多く咳が出てしまう欠点がありました。日本では古来より咳払いをするとか、咳は労咳、すなわち結核に繋がるといった負のイメージが付きまとっていることから、多くの先生方、あるいは多くの患者さんから、ACE阻害薬は敬遠されてきました。しかし、レニン・アンジオテンシン系が、高血圧、糖尿病、高脂血症などの治療において様々な役割(ある意味では負の役割)すなわちレニン・アンジオテンシン系が亢進していることが、血圧や代謝に様々な影響を与えていることは、色々な面から明らかになってきました。特にメタボリックシンドロームでは、レニン・アンジオテンシン系の果たす役割が重要であることも、より一層明確にされてきました。その様な時代にあって、単に利尿薬だけでは駄目だということがあり、また血圧という面から、カルシウム拮抗薬が使われてきました。

高齢者高血圧の治療計画

 さらに、時代の要請としてレニン・アンジオテンシン系を抑制することが必要とされた状況を踏まえ、2004年に発表された日本高血圧ガイドラインでは、カルシウム拮抗薬とARBの併用が推奨しうる療法であるとされました。しかし、カルシウム拮抗薬は、時に顔面紅潮、動悸などの副作用を表すことから、ARBと併用したとしても時には使いにくいことがありました。最近、さらに利尿薬の効用も見直される世の中になってきました。その折にあってARBと利尿薬の併用に、もう一度立ち戻ってみる必要が生まれてきたのも、時代の必然ではないかと考えております。すなわち、レニン・アンジオテンシン系抑制薬をより効果的にその作用を発揮させるには、利尿薬との併用が良いことがわかってきました。

提供 : 株式会社スズケン

    

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