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<スズケンDIアワー> 平成19年3月29日放送内容より スズケン

インフルエンザ菌b型ワクチン(乳幼児用)


札幌市立大学看護学部 客員教授
富樫 武弘

icon インフルエンザ菌b型(Hib)について

 小児科医の長い間の夢でしたインフルエンザ菌b型(Hib)ワクチンが2007年1月26日に厚生労働省によって認可されましたので、そのワクチンについてお話します。

Hib細菌学・分類

 Hibは、インフルエンザウイルスとは違って細菌です。ヘモフィルスインフルエンザの中の莢膜型、その中のbという血清型の細菌です。

Hib細菌学・特徴

 このHibは、全身感染症(敗血症や髄膜炎などの非常に重症な病気)の病原体として知られています。莢膜のないインフルエンザ菌は、局所感染症の原因菌であり、あまり重症な病気の原因にはなりません。ヒトにのみ感染し、他の動物を介する細菌ではありません。ただし、Hibは発症しませんが、乳幼児保育施設などで4人に1人程度は鼻、喉に保菌して(健康キャリアー)おり、これから飛沫感染、直接接触など、唾液を介して感染することがわかっています。抗生物質が多く使用されるようになってから、耐性化が進み、現在約6割の菌が抗生物質の効かない耐性菌に変化しています。

icon わが国におけるHib髄膜炎の疫学調査

 Hibによる最も恐ろしい病気である髄膜炎について、わが国の頻度について約10年以上前に実施した疫学調査があります。インフルエンザ菌髄膜炎の発症頻度調査ですが、1996年2月からと、1997年7月から各1年間で5歳未満の人口10万人当たりそれぞれ8.62人、8.9人との結果が出ました。この調査結果は現在もほとんど変化がありません。つまり、乳幼児のインフルエンザ菌髄膜炎数は、1年間に約600人、そのうちの25人が亡くなり、神経学的な後遺症を出す人が125人で、あわせると約30%が予後不良な病気です。この調査は約10年前に北海道・千葉・神奈川・愛知・三重・鳥取の6道県での調査によって明らかになったものです。

icon 海外におけるHibワクチン導入の効果

 海外ではこのワクチンを接種することによって、Hib髄膜炎の発症を非常に少なくする効果があることがわかっています。現在、アジア・アフリカを含む100カ国以上で、このワクチンが導入されています。しかも94カ国で定期接種に組み込まれています。小児科医の長年の希望でありましたが、ようやくこの1月にわが国でも使えるようになりました。

米国におけるHibワクチン導入の効果

 アメリカでは、このワクチンが1970年に導入された結果、Hib感染症、特に髄膜炎の発症率が導入前の1/100以下に減少しその有効性が証明されています。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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