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<スズケンDIアワー> 平成19年4月19日放送内容より スズケン

話題の新薬2007(1)


獨協医科大学 名誉学長
原田 尚

 この番組では、新しく薬価収載された新薬の中から、特に注目される品目について解説しております。今回は2007年度第1回の「新薬情報」ですが、いずれも昨年認可された品目であります。

icon 過活動膀胱治療薬 酒石酸トルテロジン

 過活動膀胱の治療薬:酒石酸トルテロジンについて解説します。過活動膀胱(Overactive Bladder;OAB)とは、比較的新しい概念ですが、蓄尿期における不随意な排尿筋の収縮によって、尿意切迫感、頻尿および尿失禁の起こる疾患であり、現今の高齢化社会においては、大きな問題となっております。

酒石酸トルテロジンの構造式

 本薬は膀胱に対する選択性の高い「ムスカリン受容体拮抗薬」で、徐放性なので、過活動膀胱の諸症状に対して、1日1回投与で優れた治療効果を示します。米国、EUはじめ世界約40カ国で市販され、我が国においても2006年4月に承認されました。
 効能・効果は、過活動膀胱における、尿意切迫感、頻尿および切迫性尿失禁です。ただし、前立腺肥大等による過活動膀胱の症状の際は原疾患の治療が優先的されます。通常、成人では1日1回、4mgを経口投与します。尿閉を起こす恐れのある患者、排尿困難のある前立腺肥大症、胃腸管運動の低下する恐れのある患者、潰瘍性大腸炎、中毒性大腸炎、緑内障、虚血性心疾患、腎障害・肝障害患者などでは慎重に投与する必要があります。
 併用注意薬としては、抗コリン作用を有する薬剤、CYP3A4阻害剤などがあります。臨床検査値異常を含む副作用は55%に見られ、口内乾燥のほか、便秘、腹痛、消化不良などが見られます。さらに、重大な副作用としては、アナフィラキシー様症状、尿閉などの起こることもあります。

icon 過活動膀胱治療薬 コハク酸ソリフェナシン

 同じく、過活動膀胱の治療薬:コハク酸ソリフェナシンについてお話します。この薬は前者同様、過活動膀胱の治療薬であります。1996年、膀胱に選択性の高い「抗コリン剤」として我が国で創製され、2000年から日・米・欧の3極において臨床試験が開始され、2006年の4月に薬価収載され、現在欧米37カ国において承認されています。

コハク酸ソリフェナシンの構造式

 効能・効果は、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿および切迫性尿失禁です。通常、成人では1日1回、5mgを経口投与します。前立腺肥大などの下部尿路閉塞疾患、潰瘍性大腸炎、甲状腺機能亢進症、肝機能障害、認知症、パーキンソン症状のある患者などでは慎重に投与する必要があります。副作用は46%に見られ、口内乾燥、便秘のほか、霧視、排尿困難など、さらに、BUN,ALTなどの臨床検査値異常が見られることもあります。重大な副作用としては、肝機能障害、尿閉、急性緑内障発作、麻痺性イレウス、幻覚、QT延長などがあります。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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