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<スズケンDIアワー> 平成19年4月19日放送内容より スズケン

話題の新薬2007(1)


獨協医科大学 名誉学長
原田 尚

icon ポリエンマクロライド系抗真菌薬 アムホテリシン

 次に、抗真菌薬が2点あります。まず、ポリエンマクロライド系の抗真菌薬:アムホテリシンBについてお話します。

アムホテリシンBの構造式

 我が国においては1960年以降、重症の潜在性真菌症に対してアムホテリシンBを有効成分として、デソキシコール酸を添加剤として加えた「注射用アムホテリシンB製剤」が使用されてきましたが、生体細胞に対する傷害作用が問題視されてまいりました。この薬はリポゾーム技術の応用によって、アムホテリシンBの作用を維持しながら、その欠点を減弱させるべく開発されました。アムホテリシンBをリポゾームの脂質二分子膜内に封入した注射用凍結乾燥製剤であります。海外45カ国で承認、市販され、我が国でも2006年4月に承認されました。
 効能・効果は、アスペルギルス属、カンジダ属、クリプトコッカス属による真菌感染症および真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症です。1日1回、2.5mg/kgを1〜2時間以上かけて点滴静注します。白血球輸注は併用禁忌です。副作用は92%に見られ、悪心、発熱、下痢、軟便、臨床検査値異常などが見られます。重大な副作用としては、ショック、アナフィラキシー様症状、腎不全、中毒性ネフロパシー、肝不全、血小板減少、心不全などがあります。

icon キャンディン系抗真菌薬 ミカファンギンナトリウム

 同じく、キャンディン系抗真菌剤:ミカファンギンナトリウムについてお話しします。

ミカファンギンナトリウムの構造式

 この薬は真菌に特異な細胞壁の主要な構成成分である3βDグルカンの生合性を阻害することによって、カンジダ属およびアスペルギルス属に対する抗真菌活性を示します。2002年の10月、この薬は成人の真菌血症、呼吸器真菌症、消化器真菌症に対する適用が承認されていますが、今回は小児への適用が承認されました。
 小児に対する効能・効果は、アスペルギルス属およびカンジダ属による真菌血症、呼吸器真菌症、消化管真菌症です。アスペルギルス症では、1〜3mg/kgを生食、ブドウ糖注射液または補液に溶解し、1日1回点液静注します。また、カンジダ症については、1mg/kgを1日1回点滴静注で、いずれの場合においても、重症または難治性の際には適宜増量しますが、1日6mgを超えないこととされています。また、薬剤過敏症、肝機能障害のある患者では、慎重投与する必要があります。
 副作用は5%に見られ、アナフィラキシー反応です。また、臨床検査値異常が見られることもあります。重大な副作用としては、血液障害、ショック、アナフィラキシー様症状、肝機能障害、急性腎不全などがあります。

 

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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