東京女子医科大学東医療センター内科 講師
布田 伸一
心移植における拒絶反応
臓器移植における拒絶反応の克服は、ステロイド、抗胸腺細胞抗体製剤、核酸合成阻害剤、カルシニューリン阻害剤、抗インターロイキン2受容体抗体等の免疫抑制剤の開発ならびに併用療法の工夫により行われ、臓器移植の成績は向上しました。
今後立ちはだかる問題は、遠隔期予後を左右する慢性拒絶反応(移植臓器管腔閉塞病変)であり、その克服であります。
mTOR(mammalian target of rapamycin)阻害剤は、リンパ球や平滑筋細胞の増殖をG1期で停止させる機能があり、慢性拒絶反応である移植臓器管腔閉塞病変を予防または治療できる薬剤として期待されています。
mTOR阻害剤として最初に登場したシロリムスは、1975年に発見されたマクロライド系抗生物質であり、のちに免疫抑制剤として再評価を受けました。シロリムスは免疫抑制効果も強かったのですが、副作用も強かったため、その後、副作用の軽減を目的としてシロリムスの誘導体であるエベロリムスが合成され、1990年代後半に臨床応用されるようになりました。ヨーロッパでは2003年に腎移植、心移植の適応が承認され、わが国では今年(2007年)1月26日に心移植における拒絶反応の抑制を効能効果として承認され、わが国でも使用可能となりました。
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