<スズケンDIアワー> 平成19年5月3日放送内容より |
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癌研有明病院薬剤部 部長
濱 敏弘
がん化学療法を安全に行うためには、レジメンの管理が重要であることは言うまでもありません。レジメンを管理するとは、ただ単に一定の様式でレジメンが整理整頓されていることではなく、化学療法を受ける患者の安全性をある一定のレベルで保障することであると考えます。すなわち、抗がん剤がエビデンスに基づいて投与されていることを担保することに加えて、制吐剤やステロイドまたアレルギー対策などの支持療法が標準化されていることであったり、また輸液の種類や量の統一が図られ、医療過誤を未然に回避する手立てがされていることと考えます。癌研有明病院におけるレジメンの登録手順とレジメン登録票への記載事項を紹介し、薬学的ケアと医療安全の観点からレジメン管理について紹介します。
癌研有明病院におけるレジメン登録の手順は、概ね臨床研究の申請手順を踏襲しています。
新たなレジメンを申請しようと思う医師は、まず臓器ごとに構成されるCancer Boardへレジメンを提出します。 Cancer Boardとは、臓器別合同カンファランスであり、内科医、外科医、放射線治療医、病理医、及び薬剤師、看護師などのコメディカルが参加し、それぞれ専門の立場から意見を交換し、症例を検討するところです。
レジメン登録票は、A3版見開きサイズであり、28項目からなります。
まず、癌種、レジメン名称、実施部署、臨床区分、適応疾患分類を記載します。実施部署の区分とは、入院、外来化学療法センター、アンギオ室、外来処方など化学療法を実施する場所を限定します。臨床区分には、日常診療として保険診療内で行うか、単独自主研究、多施設共同自主研究、市販後臨床試験、または治験であるかの区分を書きます。
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提供 : 株式会社スズケン | ||||
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