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<スズケンDIアワー> 平成19年5月3日放送内容より スズケン

DI実例集(155)〜がん化学療法のレジメン管理


癌研有明病院薬剤部 部長
濱 敏弘

icon レジメンのクラス分類と登録の手順

 レジメンのクラス分類についてお話します。

癌化学療法レジメン登録票

 レジメンはその内容により、AA、A、B、Cの4つに分類しています。
 日常臨床レベルでの有害事象の発生が予想される危険度中程度のレジメンを「B」として、好中球数の減少が重篤であったり、消化器毒性の重篤なグレード3,4の副作用が発現する危険性が高いレジメンを、「A」とします。シスプラチンやタキサン系を含むレジメンなどが該当します。また、治験薬のように有害事象が予見できないレジメンや特殊なレジメンたとえば、メソトレキセートの大量療法などは、「AA」とします。一方、「C」には、比較的危険が少ない内服薬レジメンなどが分類されます。

レジメン登録の手順:薬剤部での作業手順

 薬剤部に提出されたレジメン登録票をもとに、レジメン担当者は電子カルテへの登録準備をするとともに、薬剤部内では申請されたレジメンの薬学的検討を行います。注射室では投与スケジュールや輸液の確認と検討を行い、調剤室では内服薬の投与期間・休薬期間の確認やプレメディケーションの確認を行います。また、服薬指導担当者は、服薬指導説明書の作成を行います。これらの作業は、SRBの審議と並行して行い、疑義がある場合には、SRB事務局または申請者へ確認を求めています。この一連の作業は通常、1〜2週間を要します。新しいレジメンを明日からすぐに使いたいというオーダーには対応していません。大急ぎの場合でも2〜3日は要します。

薬剤師が関わり変更されたレジメンとその内容

 新規登録だけでなく、従来から使用しているレジメンでも、薬剤部より薬学的な観点から、もしくは文献やガイドラインの観点から修正を行っています。
 薬学的観点からの修正としては、輸液の変更と統一があげられます。特に意図するとことがなければ、抗がん剤投与時の輸液は、生食とするようにコンセンサスをとっています。また、パクリタキセルは、高濃度での結晶の析出が報告されていることから、輸液量を500mLに統一しました。これらの統一は調製過誤の防止につながっています。
 そのほか、嘔吐に対しては、ASCOのガイドラインなどを参考として、ステロイドの追加を行っています。
さらに、アルコールアレルギーの患者に対して、ドセタキセルの溶解に添付のアルコール溶液を使用しない禁アルコールレジメンを追加したり、初回投与量と2回目以降の投与量が異なるハーセプチンの場合には、初回レジメンと、2回目以降のレジメンを別に登録し、処方間違いの回避をシステム的に図りました。
 これらのレジメンの修正は、輸液の変更などレジメンの本質にかかわらない部分について、診療科と薬剤部で協議し修正しますが、抗がん剤の投与量、スケジュールなどレジメンの本質にかかわる部分や、ステロイド剤の変更などはSRBでの合意をもって修正しています。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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