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<スズケンDIアワー> 平成19年5月31日放送内容より スズケン

添付文書の副作用の中に見られる症候群(11)


帝京大学 名誉教授
清水 直容

 本日は「医薬品による甲状腺疾患」というテーマでお話をさせていただきます。甲状腺の疾患というものには、バセドウ病(Grave's disease:グレーブス病)と、日本の橋本 策博士により1905年にドイツ語で書かれた論文により、橋本病と呼ばれている(この名は世界中で使われている疾患名となっていますが)、この二つが甲状腺疾患ですが、甲状腺ホルモンの方から見ると、それが増えているか減っているかという問題です。

甲状腺関連疾患

icon 甲状腺ホルモン関連物質

 甲状腺というのは、喉頭部のH型の格好をしたもので、左の小葉、右側の小葉と、その真中を塞ぐ細いところでHの形をしているものですが、甲状腺の「甲」という字は「かぶと」ですが、Hの方が正しい格好です。その重量はわずか20g程度の小さなものですが、そこで産生されますホルモンは、サイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)という二つのホルモンで、構造の上では比較的簡単なアミノ酸にヨードが結合しているものです。4個のヨードが付いていればT4ですし、3個のものがT3です。これがどのようにして作られ、どのように血中に出てくるかというところから始めたいと思います。

甲状腺ホルモン関連物質の構造

 ヨードというのは、日本人は比較的多く、海藻類などから採っていますが、外国では非常に少ないために甲状腺腫をきたす病気というのは昔から知られています。それがどのように作られるかというところから始めますと、一番元になるのは、脳内の視床下部にあるTRH:TSH(サイロイドのスティムレイティング・ホルモンという下垂体から出るペプチド)レリージング・ホルモンで、これが下垂体のTSHの分泌を増加させ、TSHがが甲状腺の受容体に結合します。その前に、血中にある無機のヨードを甲状腺に取り込むときに、トランスポーターあり、そこで有機のヨードになり、それが甲状腺の濾胞細胞を通り、その中にあるサイログロブリンと言うグロブリンの上でタイロシンを有機のヨードにより、ヨードを結合させてホルモンが出てくるわけです。医薬品の中にヨードが含まれていますと、それが甲状腺ホルモンの産生、分泌に大きな影響を及ぼします。甲状腺の濾胞細胞というのは20個ぐらいが塊になっており、それがたくさんあり、その細胞の真中には、カルシトニンを出すC細胞もあります。甲状腺の濾胞の中に多く溜められている甲状腺ホルモンがもう一度濾胞の方に再摂取され、それが血中に出てくるわけですが、血中に出ても、それはすぐにいろいろなタンパク、すなわちグロブリン、アルブミン、プレアルブミンなどに結合します。それから、結合していないフリーのサイロキシン、トリヨードサイロニンが実際には筋肉、肝臓、脂肪組織などに働きその代謝を亢進させるものです。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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