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<スズケンDIアワー> 平成19年6月28日放送内容より スズケン

週1回投与骨粗鬆症治療薬 リセドロン酸ナトリウム水和物


産業医科大学整形外科 教授
中村 利孝

icon ビスフォスフォネートによる骨粗鬆症治療の流れ

 骨粗鬆症の骨折防止治療に、我が国でビスフォン酸水和物のリセドロネートとアレンドロネートが使用されるようになって、5年以上が経過しました。これらの窒素含有ビスフォスフォネートは、骨折防止効果と安全性が日常診療でも確認され、骨粗鬆症の標準的治療薬になってきたといえます。欧米では、これらのビスフォスフォネートは、すでに10年以上の使用経験があり、週1回製剤が登場してからも5年以上が経過し、現在では90%以上の例で1週間1回の製剤が使用されています。
 ビスフォスフォネートの週1回製剤は、服薬の手間が省けるため、長い間、我が国でも期待する声が多かったのですが、昨年秋からアレンドロネートの週1回製剤が使用できるようになり、さらに、このたび、リセドロネートの週1回製剤の使用も可能になりました。我が国の骨粗鬆症治療薬も、これで、ようやく欧米と同じ水準になってきたといえます。そこで本日は、リセドロネートの骨粗鬆症治療における有用性について、国内外のデータにもとづいてご説明いたします。

icon リセドロネートの骨折防止効果

 リセドロネート治療による脊椎骨折の防止効果は、欧米では、閉経後5年以上経過した85歳未満の女性で、2個以上の脊椎骨折を有する例と、脊椎骨折は1個で骨密度がT値で-2.0以下の例、2,458例を対象にした3年間の臨床試験で確認されました。試験開始後1年での骨折防止効果はプラセボ群に対して65%低下し、3年では41%低下していました。この試験はVERT試験と呼ばれ、1993年から1998年までの5年間で行われ、1999年に報告されました。また、大腿骨頚部骨折の防止効果については、5,445人の閉経後女性で70-79歳までの骨粗鬆症例で骨密度のT値が-4以下の例と、T値が-3以下で喫煙習慣など骨折の臨床的危険因子を1つ以上有する例を対象に行われ、3年の経過でプラセボ群に対して40%低下させました。
 これらの2つの大規模試験の結果、リセドロネートは脊椎骨折、大腿骨頚部骨折のどちらのリスクも低下させることが明らかになったわけです。

我が国におけるリセドロネートの骨密度増加効果

 我が国では、リセドロネートの骨密度増加効果を調べる臨床試験は、プラセボ対照ではなく、エチドロネートとの効果の比較で検討されました。使用量は他のビスフォスフォネートと同様に欧米人の半分で1日2.5mgですが、まず、腰椎の骨密度増加について、男女の骨粗鬆症235例を対象に48週間の試験が行われました。その結果、リセドロネート使用群ではエチドロネートに比べ骨密度は有意に増加し、治療開始3ヶ月から平均で3%、48週での平均値増加率は5%以上に達しました。

我が国におけるリセドロネートの脊椎骨折防止効果

 我が国におけるリセドロネートの骨折防止に対する有効性も、エチドロネートとの比較で検討されています。50歳以上の男女の骨粗鬆症例で1個から4個までの脊椎骨折を有する例を対象として、24ヶ月(2年)の観察で、最初の6ヶ月ではリセドロネート群、エチドロネート群はそれぞれ8.8%、6.0%の骨折を生じましたが、6ヶ月から2年までについては、エチドロネート群で8.7%が骨折したのに対し、リセドロネート群では3.9%で、エチドロネート群に対してリセドロネート使用群の相対危険度は55%に低下していました。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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