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<スズケンDIアワー> 平成19年7月26日放送内容より スズケン

過活動膀胱治療薬 イミダフェナシン


熊本大学泌尿器病態学 准教授
吉田 正貴

icon イミダフェナシンの臨床試験成績

 イミダフェナシンのin vivoでの膀胱に対する作用として、ラットの律動性膀胱収縮を用量依存的に低下させ、カルバコールにより誘発した膀胱容量の減少を、用量依存的に増加させました。
 さらに、イミダフェナシンの高い膀胱選択性は、ラットの律動性の膀胱収縮の抑制作用とカルバコール刺激による唾液分泌抑制作用との作用比が、プロピベリンに比べ約10倍大きいことでも示されています。

二重盲検試験〜有効性

 さて、臨床第三相比較試験では、切迫性尿失禁を伴う過活動膀胱患者781例を対象としてイミダフェナシン0.1mg1日2回投与群、プロピベリン20mg群、およびプラセボ群の3群で12週間投与が行われました。最終評価時での主要評価項目である、1週間あたりの切迫性尿失禁回数の変化率は本剤で約-68%、プラセボ群で約-50%と有意差を認め、さらに、プロピベリン群との非劣性が確認されました。また、副次的項目のうち、1日あたりの平均排尿回数の差はイミダフェナシンで-1.52回、プラセボ群で-1.08回と有意差を認め、1日あたりの尿意切迫感の平均回数の変化率でも、イミダフェナシン群-53%、プラセボ群-36%と有意差が確認されました。キング健康調査票を用いたQOLスコアにおいては身体的制限、個人的人間関係、自覚的重症度の3項目で、イミダフェナシン群がプラセボ群と比較して有意な減少を示しました。

二重盲検試験〜安全性

 副作用は、イミダフェナシン群では321例中、13例(40.5%)に、プラセボ群では145例中38例(26.2%)に認められました。イミダフェナシン群での主な副作用は、口内乾燥:27.1%、便秘9.3%。霧視などが1.6%でした。口内乾燥の程度は軽度が22.7%、中等度が4.4%と、重篤なものはありませんでした。また、臨床検査値や心電図、血圧、脈拍数、残尿量などには異常な変動は認められませんでした。

長期投与試験

 過活動膀胱患者481例を対象とした本剤0.1mg、1日2回、52週間の長期投与試験では、尿失禁消失率は平均60%であり、平均尿失禁回数、平均排尿回数、平均尿意切迫感回数は投与4週後には改善が認められ、その効果は52週目まで減弱することなく維持され、キング健康調査票によるQOL評価においても全ての項目で有意な改善を示しました。

長期投与試験(QOL)

 長期投与試験での副作用発現率は478例中223例(46.7%)であり、主な副作用は口内乾燥:34.3%、便秘:9%で、長期投与に関連したこれらの発現率の増加は観察されませんでした。また、副作用の41.7%は投与12週までの早期に確認され、12週以降は5.6%と低値でした。投与を中止した症例は27例:5.6%でした。臨床検査値で問題となる変動は認めず、治療期12、28、52週後および中止時に実施した心電図検査では、どの時期においてもQTcの平均値の延長は認められませんでした。
 以上の様々な試験結果からイミダフェナシンはムスカリン受容体M3とM1受容体に選択性が高く、かつ膀胱選択性も高く、また、副作用発現率が低い、抗コリン薬であり、過活動膀胱における、尿意切迫感、頻尿および切迫性尿失禁を有意に改善しうる薬剤であることが立証されました。
 本邦においては、昨年以来、いくつかの新規抗コリン薬が登場し、治療の選択肢が広がったことは、患者あるいは医師にとってもメリットは大きいと考えられます。今後はこれらの抗コリン薬をどのように使い分けてゆくかなどを含めた検討が必要と考えられます。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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