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<スズケンDIアワー> 平成19年8月2日放送内容より スズケン

気管支喘息治療薬(1日1回投与型吸入ステロイド剤)シクレソニド


昭和大学第一内科 教授
足立 満

icon シクレソニドの肺内到達率

 吸入ステロイド薬の効果を左右する重要な要因の一つとして、薬の「肺内への到達率」があげられます。

健康成人におけるシクレソニドの各組織への到達率

 健康なボランティアの方に放射活性を持つテクネシウムでラベルしたシクレソニドを吸入していただき、シンチグラフィーを用いて測定したところ、肺において吸入されたシクレソニドは52%という高い値が到達率として検出されました。
 このような高い肺内到達率は、噴射されたシクレソニドの粒子の多くが肺内に到達しやすい大きさであることによって達成されていると考えられています。一般に、肺の気管支へ到達することのできる吸入薬の粒子径は5μ以下とされていますが、シクレソニドの平均粒子径はそれよりもはるかに小さい1μであり、肺にまんべんなく広がることによって中枢の気道のみならず末梢の気道の炎症をも抑える可能性があります。

icon シクレソニドの有害事象

 次にシクレソニドの有害事象に関する特徴についてお話ししたいと思います。
 シクレソニドの肺内到達率が高いことは、すなわち口腔咽頭内に残るシクレソニドが少ないことを意味すると考えられます。口腔咽頭内に残ったステロイドは、局所の有害事象である、口腔カンジダ症や嗄声の原因になるとされていますが、シクレソニドは口腔や咽頭に残る量が他の吸入ステロイドに比べて少ないため、局所の有害事象が少なくなる可能性があります。また、口腔内ではシクレソニドはほとんど活性化されていない、という研究結果もあることから、口腔咽頭部への低い薬剤沈着率とプロドラッグとしての活性化メカニズムとが相まって局所の有害事象を低減させることも期待されます。
また、シクレソニドは血中では約99%が活性を失っています。これはシクレソニドが血中のタンパク質と「非特異的」に結合しやすいことが理由ですが、このことはステロイド活性を持つシクレソニドが血中にほとんど無い、ということですから、ステロイドによる全身性の有害事象が少なくなることが期待されます。
このように、シクレソニドは局所や全身性の有害事象の低減が期待できるお薬ということが出来ます。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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