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<スズケンDIアワー> 平成19年8月9日放送内容より スズケン

進行・再発大腸癌治療薬ベバシズマブ


国立がんセンター東病院 内視鏡部長
大津 敦

icon ベバシズマブの作用機序

 本日は血管新生阻害剤ベバシズマブ(商品名アバスチン)の作用機序、薬理効果、有害事象等についてお話しさせていただきます。

腫瘍の悪性化と血管新生

 血管新生とは、腫瘍の悪性化、転移、浸潤等に密接に関連しています。腫瘍が小さいうちはほとんど血管がない状況ですが、徐々に増殖するにつれていわゆる腫瘍への血管が発達し、さらに血管内への浸潤、転移・着床が起こってきます。それらのさまざまなステージで、血管新生というのは必須になってきます。血管新生に大事なリガンドとしてVEGF(血管内皮増殖因子)があります。これは、腫瘍に特異的な現象ではありません。腫瘍では脈管形成及び血管新生において重要な役割を担っていますが、もうひとつは胚形成や出生後の早期の発育、骨格形成等々、あるいは創傷治癒に関わっている因子として知られています。

血管新生阻害剤:メカニズムによる分類

 このVEGFの発現を促進する腫瘍局所環境としては腫瘍における低酸素状態、インシュリン成長因子(IGF)、PGDF、血小板増殖因子等々のいわゆる増殖因子が腫瘍に結合しますと、そこからVEGFの分泌が促され、いわゆる血管側のVEGFレセプターにVEGFが結合し、その後、活性化されて血管の新生がされると考えられています。

Bevacizumab(rhuMAb VEGF)

 血管新生阻害剤にはすでにさまざまな薬剤が開発されていますが、最も有名なものがVEGFに対する抗体であるベバシズマブです。これは流血中のVEGFに特異的に結合して、血管新生を抑える薬剤です。ベバシズマブに関しましては、製剤としてはリコンビナントのいわゆるhumanized anti-VEGF、antibody、ヒト化モノクローナル抗体です。エヒトープの一部の部分に、マウス由来のタンパクが存在します。このべバシズマブに関しては、すでに大腸癌、進行大腸癌を中心とした臨床の開発が進んでおり、すでに大規模な比較試験の結果が進行大腸癌で数多く報告されており、ベバシズマブの有効性が証明されています。

Bevacizumabによる生存への上乗せ効果

 主なものとしましては、5-FU、ロイコボリンに対する上乗せ効果、それからかつて大腸癌の標準治療でありましたイリノテカン、5-FU、ロイコボリン(通称IFL療法)、それにベバシズマブを加えた場合の生存期間の上乗せ効果、二次治療としてのFOLFOX(5-FU、ロイコボリン、オキサリプラチン)に対するベバシズマブの上乗せ効果というすべて生存期間延長効果が証明されています。

FOLFOX/XELOXとの併用によるBVの初回治療での効果

 最近になって初回治療としてのFOLFOXあるいはXELOX(経口剤であるゼローダ、オキサリプラチンの併用)両方の併用等の比較試験においても、ベバシズマブの生存期間延長効果が証明されてきており、すでに海外では広く使用されている薬剤です。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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