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<スズケンDIアワー> 平成19年8月23日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠について(19)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

 前回の放送以降薬価基準に収載された新医薬品の薬価算定根拠について説明します。

icon アリムタ注射用、ドキシル注の薬価算定根拠

アリムタ注射用・ドキシル注の薬価算定根拠

 はじめは、アリムタ注射用です。成分名は、ペメトレキセドナトリウム水和物で、日本イーライリリーの開発です。ペメトレキセドナトリウム水和物は核酸合成過程の代謝阻害作用を有し、悪性胸膜中皮腫を効果・効能とします。同様な効能・効果等を持つ類似薬がないと判断され原価計算方式により算定が行われました。申請者によればピーク時の予測投与患者数は1200人余りとされています。
 次は、ドキシル注です。成分名は、ドキソルビシン塩酸塩で、ヤンセンファーマの開発です。ドキソルビシン塩酸塩はDNAと結合して核酸合成阻害作用を有し、エイズ関連カポジ肉腫を効果・効能とします。ドキソルビシン塩酸塩を有効成分とする注射剤は「悪性リンパ腫等における自覚的及び他覚的症状の緩解」を適応として既に発売されていますが、本剤は、ドキソルビシン塩酸塩をMPEG-DSPE修飾リポソームに封入したものであることから、同様な効能・効果等を持つ類似薬がないと判断され原価計算方式により算定が行われました。申請者によればピーク時の予測投与患者数は23人とされています。
 以上の2成分2品目は本年1月17日の中医協総会で審議され、1月19日に薬価基準に収載されました。

icon セレコックス錠、コムタン錠の薬価算定根拠

セレコックス錠・コムタン錠の薬価算定根拠

 次は、セレコックス錠です。成分名は、セレコキシブで、アステラス製薬の開発です。セレコキシブは、プロスタグランジン生合成阻害作用を有し、「関節リウマチ、変形性関節症並びに症状の消炎・鎮痛」を効能・効果とします。効能効果、薬理作用等が類似している、メロキシカムの製剤である日本ベーリンガーインゲルハイムのモービック錠を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。高血圧および浮腫に関連した有害事象が軽減される傾向が示されていたことなど、本剤による対象疾病の治療方針の改善が示されていると判断され、有用性加算(II)が適用されました。なお外国平均価格調整による引き上げが行われました。セレコックス錠には100mgと200mgの2規格がありますが、規格間比としてはモービック錠の10mgと5mgとの規格間比0.6229が用いられました。
 次は、コムタン錠です。成分名は、エンタカポンで、ノバルティス ファーマの開発です。エンタカポンは、カテコール-O-メチル基転移酵素(COMT)阻害作用を有し、「レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・塩酸ベンセラジドとの併用によるパーキンソン病における症状の日内変動(wearing-off現象)の改善」を効能・効果とします。効能効果等が類似している塩酸セレギリンの製剤であるエフピーのエフピー錠を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。塩酸セレギリンがB型モノアミン酸化酵素阻害作用を有するのに対し本剤は臨床上有用な新規作用機序を有するとともに、症状の日内変動がある患者のON時間を延長するなど本剤によって対象疾病の治療方法の改善が示されていると判断され、有用性加算(I)が適用されました。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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