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<スズケンDIアワー> 平成19年9月13日放送内容より スズケン

勃起不全治療薬 タダラフィル


東邦大学泌尿器科 准教授
永尾 光一

icon 開発の経緯

 タダラフィル(商品名シアリス)は選択的なPhosphodiesterase type 5(以下PDE5)阻害薬として開発された勃起不全(Erectile Dysfunction、以下ED)治療薬である。欧米では1995年に開発が開始され、多くのプラセボ対照二重盲検比較試験において有効性及び安全性が確認された。その後、2002年10月にオーストラリアで、2002年11月に英国等の欧州各国で、2003年11月に米国で承認され、2007年5月時点で世界107カ国にて承認・販売されている。本邦においては2001年より第T相臨床試験が開始され、2004年から行われたブリッジング試験の結果をもとに2007年7月に承認された。
 本邦では1999年にPDE5阻害薬であるクエン酸シルデナフィルが、2004年に塩酸バルデナフィルが発売され、ED治療は大きく進展し、現在、治療の第一選択として用いられている。しかし、これらの薬剤は血漿中濃度半減期が短いことや、バイアグラ錠においては食事の影響を受けることより服用時刻を考慮する必要がある。このため、より自然な状況下で治療が可能な薬剤が求められていた。タダラフィルはPDE5に対し強力かつ選択的に阻害作用を示し、食事の影響を受けず、効果の作用時間が長いといった、他の薬剤とは異なる特徴を有しており、患者にとってより自然な状況下においてEDの治療が可能となることが期待されている。

icon タダラフィルの特徴

タダラフィルの構造式

 タダラフィルは従来のPDE5阻害薬とは異なる構造式を有しており、このことから、他のPDE5阻害薬とは異なる特徴を示すものと考えられる。1錠中にそれぞれタダラフィルとして5mg、10mg、20mgを含有する3剤形がある。

摂食後および空腹時の被験者におけるタダラフィルの薬物動態

 日本人健康成人36例にタダラフィル5、10、20、40 mgを単回経口投与した時、タダラフィルは速やかに吸収されCmaxに達した。血漿中濃度は、投与0.5〜4時間(Tmaxの中央値、3時間)の間にピークに達した後、消失した。消失半減期は約14〜15時間であり、この点がこれまでのPDE5阻害薬とは大きく異なる特性の1つである。タダラフィル吸収の速度と程度は食物やアルコール飲料などに影響されず、糖尿病や腎障害、軽度から中等度の肝障害を有する患者においてもタダラフィルの薬物動態に臨床的に有意な変化が観察されることはなかった。また、投与時間にも影響されることはなかった。食事を中心に性行為を計画する必要がないため、タダラフィルは利便性が高く、受け入れられやすいと考えられる。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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