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<スズケンDIアワー> 平成19年9月13日放送内容より スズケン

勃起不全治療薬 タダラフィル


東邦大学泌尿器科 准教授
永尾 光一

icon タダラフィルの薬効薬理

 タダラフィルは強力かつ選択的なPDE5阻害薬である。性的刺激により海綿体内皮細胞などで産生された一酸化窒素(NO)が可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化し、陰茎海綿体平滑筋内のcGMP濃度を上昇させることで、細胞内のCa濃度が低下する。その結果、海綿体の動脈及び平滑筋が弛緩し、海綿体へ流入する血液量が劇的に増加することにより、勃起現象が始まる。PDE5は陰茎海綿体における主要なcGMP分解酵素である。タダラフィルのPDE5阻害作用でcGMP濃度が上昇することにより、陰茎の血管及び海綿体の平滑筋弛緩作用が増強され、結果として性行為を行う為の充分な勃起とその維持が可能となる。

icon 臨床上の特徴

 国内プラセボ対照二重盲検比較試験において、ED患者343例をプラセボ群、タダラフィル5 mg群、10 mg群、20 mg群に割り付け、有効性及び安全性について検討した。試験期間は12週間で、治験薬の投与は性的行為の前に服用する必要時投与とし、1日1回を超えないこととした。

IIMF EFドメインスコア

 有効性については、国際勃起機能スコア(International Index of Erectile Function、以下IIEF)における勃起機能ドメインスコア、及び患者日記中の性交に関する質問(Sexual Encounter Profile、以下SEP)の質問2(「パートナーの膣への挿入ができましたか?」)、質問3(「勃起は十分に持続し、性交渉に成功しましたか?」)に対し「はい」と回答した割合のベースラインからの変化量で評価した。IIEF、SEPの質問2、3共に、ED治療薬の臨床試験で一般的に使用される評価項目である。IIEFは過去4週間に行われた性行為全般に関する質問であり、SEPは性交渉毎に回答してもらう日記形式の質問表である。結果は、すべての評価項目において、タダラフィル5mg、10mg、20mgすべての用量でプラセボと比較して有意な改善を認め、日本人ED患者におけるタダラフィルの有効性が証明された。重症ED患者における部分集団解析においては、IIEF、SEPの2、3のいずれの変化量も用量依存的な改善が認められ、20 mg群で最も大きな改善であった。これは重症ED患者に対してはタダラフィル20mgが必要であることを示唆する結果であった。

作用の発現

 効果発現に関しては、欧米で実施された臨床試験において、タダラフィル10 mg群では投与後26分、20 mg群では投与後15分での効果発現率がプラセボ群と比較して有意に高かったという結果があり、他剤と同様に服用後速やかに効果が発現する薬剤であることを示すものであった。また、本剤の半減期の長さに由来する作用時間の長さは他のPDE5阻害薬と大きく異なる特徴である。勃起不全を有する外国人患者を対象とした11件の臨床試験の統合解析(2102例)において、タダラフィル10 mg群及び20 mg群共に、投与後36時間まで効果が継続したことが示された。以上の結果より、タダラフィルは投与後30分以内に効果が発現し、かつ36時間まで勃起機能の改善効果が継続する薬剤であると考えられる。
 安全性については、タダラフィルは忍容性の高い薬剤であると考えられる。国内臨床試験でタダラフィルを投与した257例における主な副作用は頭痛29例(11.3%)、ほてり22例(8.6%)、消化不良6例(2.3%)等であり、ほとんどの事象が軽度から中等度であった。タダラフィルは既に世界各国で1100万人以上のED患者に投与されている。市販後に得られた安全性情報と臨床試験の安全性プロファイルはほぼ一致しており、タダラフィルが安全に使用される薬剤であることを支持する結果である。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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