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<スズケンDIアワー> 平成19年9月20日放送内容より スズケン

抗てんかん薬トピラマート


国立精神・神経センター武蔵病院精神科 医長
渡辺 雅子

icon 抗てんかん薬の承認状況

 トピラマートは、米国マクニール・ファーマシーティカル社にて1979年に創製された抗てんかん薬です。 本邦においては1990年よりその開発が行われ、2007年7月製造販売承認が取得されました。トピラマートはトピナという商品名で発売されます。
 トピラマートは、海外では1995年7月に成人の部分発作に対する併用療法剤として英国で承認を受けて以来、2006年7月までに米国、フランスなど世界102カ国において成人の部分発作に対する併用療法剤として承認を受けています。また、成人の全般性強直間代発作に対する単剤・併用療法、小児の部分発作、全般性強直間代発作や部分発作の単剤・併用療法、小児のLennox-Gastaut症候群に関連した発作に対する併用療法にも海外では承認を取得しています。
 米国と本邦における抗てんかん薬の承認状況について紹介します。1950年代から1980年代における抗てんかん薬(バルプロ酸やカルバマゼピンなど)の承認は日米間で差はほとんどありませんでした。米国では1990年代以降8種の新規抗てんかん薬が承認されましたが、本邦では1990年代に新たに承認された抗てんかん薬はなく、2000年にクロバザム、2006年にガバペンチンが承認を受けたのみで、今回トピラマートが承認を受けました。
 従来の抗てんかん薬を用いた治療で十分な発作抑制が得られない難治てんかん患者は、てんかん患者の20〜30%といわれます。そのため、新たらしい抗てんかん薬の登場は待ち望まれていることです。今回発売されるトピラマートにも期待しています。

icon トピラマートの特徴

 トピラマートの特徴を紹介します。一つ目は、フルクトピラノース骨格にスルファマート構造を有する新規抗てんかん薬で、世界102カ国(2006年7月時点)で承認されています。二つ目は、AMPA/カイニン酸型グルタミン酸受容体機能抑制作用など幅広い作用機序で、抗けいれん作用を示します。三つ目は、二次性全般化発作に対しても、既存の抗てんかん薬との併用療法により良好な効果が認められることがあげられます。
 また、副作用は、開発治験時の副作用は、303例中228例(75.2%)に認められています。主な副作用は傾眠、体重減少、浮動性めまい、無食欲及び大食症候群等でした。また、主な臨床検査値異常はγ-GTP増加、血中塩化物増加、血中重炭酸塩減少、血中リン減少等でした。また、重大な副作用は、続発性閉塞隅角緑内障及びそれに伴う急性近視、腎・尿路結石、代謝性アシドーシス、乏汗症及びそれに伴う高熱が報告されています。
 効能・効果は、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法です。用法・用量は、成人にはトピラマートとして1回量50mgを1日1回又は1日2回の経口投与で開始します。以後、1週間以上の間隔をあけて漸増し、維持量として1日量200〜400mgを2回に分割経口投与します。なお、1日最高投与量は600mgまでとなっています。
 トピラマートの剤形は、錠剤のみで50mg錠と100mg錠があります。

トピラマートの化学構造式

 作用機序は、(1)電位依存性ナトリウムチャネル抑制作用、(2)電位依存性L型カルシウムチャネル抑制作用、(3)AMPA/カイニン酸型グルタミン酸受容体機能抑制作用、(4)GABA存在下におけるGABAA受容体機能増強作用および(5)炭酸脱水酵素阻害作用と多彩な機序を持っている抗てんかん薬ということができます。
 トピラマートの抗けいれん作用のプロフィールは、フェニトイン、カルバマゼピン、ゾニサミドなど主として部分発作に使用される抗てんかん薬と類似しています。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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