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<スズケンDIアワー> 平成19年9月20日放送内容より スズケン

抗てんかん薬トピラマート


国立精神・神経センター武蔵病院精神科 医長
渡辺 雅子

icon トピラマートの臨床成績

 臨床試験について紹介します。本邦で実施された第II相臨床試験では、トピラマート1日100mgから600mgでの有効性と安全性が認められています。また、第III相比較試験は、既存の抗てんかん薬で効果不十分な成人難治部分てんかん患者を対象とし、プラセボ対照の二重盲検並行群間比較試験にて実施されました。

第III相臨床試験(中央値)

 この試験での有効性解析対象例はプラセボ群65例、トピラマート400mg/日群61例で、主要評価項目である“てんかん発作発現頻度減少率の中央値”は、プラセボ群13.7%に対してトピラマート群33.4%と有意に高値でした。また、“二次性全般化強直間代発作(SGTC)の発作発現頻度減少率の中央値”は、プラセボ群0%に対してトピラマート群73.3%と有意に高値でした。以上から、トピラマートは高い発作抑制効果が期待されます。

重大な副作用

 また、副作用は、プラセボ群38例(58.5%)に対しトピラマート群50例(80.6%)でした。トピラマート群でみられた主な副作用は傾眠19例(30.6%)、浮動性めまい11例(17.7%)、感覚減退11例(17.7%)、体重減少10例(16.1%)でした。
 本邦における開発治験時の副作用は、303例中228例(75.2%)に認められています。主な副作用は傾眠90例(29.7%)、体重減少75例(24.8%)、浮動性めまい44例(14.5%)、無食欲及び大食症候群32例(10.6%)等で、重大な副作用は、続発性閉塞隅角緑内障及びそれに伴う急性近視(頻度不明)や、腎・尿路結石(2.6%)、代謝性アシドーシス(2.0%)、乏汗症(頻度不明)などが報告されており注意が必要になります。従来の抗てんかん薬で報告されているStevens-Johnson症候群などの過敏性反応、重篤な肝障害や血液系の副作用は少ないようです。
 トピラマートなど中枢神経系に対する副作用が発現するような薬剤では、急峻に増量するより、緩徐に増量することが推奨されます。トピラマートの具体的な増量法は、初回投与量を1日50mgからとし、1〜2週間をかけて、1日量を50mgずつ増量することが勧められます。

icon トピラマートの薬物動態

体内薬物動態

 健常人にトピラマート50〜200mgを投与したときの最高血中濃度到達時間(tmax)は1.4〜2.0時間、半減期(t1/2)は25.3〜46.7時間でした。また、トピラマートを反復経口投与した際の血漿中濃度は5日目以降にほぼ定常状態となります。
 トピラマートは、その多くは未変化体のまま尿中に排泄されますが、一部(約20%)は肝臓にて代謝を受けます。代謝を受ける主なチトクロームP450分子種はCYP3A4とされており、CYP3A4の酵素誘導を有する薬剤であるフェニトインやカルバマゼピンとの併用でトピラマートの血漿中薬物濃度が低下することが報告されています。また、トピラマートがフェニトインのAUCを25%程度上昇する場合があるとの報告もされています。
 なお、トピラマートは主として腎臓より排泄されるため、クレアチニンクリアランスが70 mL/分未満の場合には、投与量を半量にするなど慎重に投与する必要があります。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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