→ 番組表はこちら
→ストリーミング版はこちら
<スズケンDIアワー> 平成19年9月27日放送内容より スズケン

話題の新薬2007(3)


獨協医科大学 名誉学長
原田 尚

icon HIV治療薬:メシル酸サキナビル

 次いでHIV治療薬を2剤ご紹介します。まず、HIVプロテアーゼ阻害剤:メルシ酸サキナビルについてお話します。

メシル酸サキナビルの構造式

 この薬は1986年、英国において初めて開発されたHIVプロテアーゼ阻害剤であり、本薬とヌクレオシド系のHIV逆転写酵素阻害剤との併用療法の有効性が確認され、世界各国で承認、わが国でも1997年に承認されております。その後、本薬1000mgとリトナビル100mgとの1日2回併用療法が一般化しましたが、患者の服用時の負担軽減及び服用アドヒアランスの向上を図る目的で、本薬の500mg錠が開発され、用法・用量の変更と500mgの剤形追加が昨年の9月に承認されました。通常、本薬1000mg、及びリトナビル100mgを1日2回、同時に食後2時間以内に経口投与致します。禁忌は本薬の成分に過敏症の人で、副作用は70%に見られ、下痢・悪心・嘔吐・腹痛など。重大な副作用としては自殺企図、痙攣、失調、膵炎、重度の肝機能障害、汎血球減少症などが見られることがあります。

icon HIV治療薬:ロピナビル・リトナビル配合剤

 同じく抗ウイルス剤:ロピナビル・リトナビルの配合剤についてお話します。ロピナビルはHIVプロテアーゼの活性を阻害し、感染性をもったHIVの産生を抑制しますが、本薬はロピナビルとリトナビルとの配合剤で、リトナビルを加えることで、ロピナビルの有効血中濃度が維持され、抗ウイルス作用を呈するとされております。昨年の9月に承認されました。通常、成人に対して本薬2錠を1日2回、経口投与します。副作用は下痢・嘔吐、無力症などで、特に重大な副作用としては、高血糖、糖尿病、膵炎などの見られることがあります。

icon 造血幹細胞移植前治療薬:ブスルファン

 次に造血性幹細胞移植前治療薬:ブスルファンについてお話します。

ブルスファンの構造式

 この薬は、DNA合成及び細胞分裂を阻害する抗がん剤:ブスルファンの注射剤であり、造血性幹細胞移植前治療薬として開発されました。この薬は悪性腫瘍に罹患した患者の体内に残存する腫瘍細胞を除去すると共に、移植した造血幹細胞を拒絶されないような強い免疫抑制効果を示し、さらに骨髄の破壊作用も有するとの特性をもっており、昨年の9月に承認されております。
 効能・効果は同種造血幹細胞移植の前治療であります。他の抗悪性腫瘍剤との併用において、1回0.8mg/kgを生食または5%のブドウ糖液に混和調整して、2時間かけて点滴静注します。本薬は6時間ごとに1日4回、4日間投与致します。警告としてこの治療を行う際には、緊急時に十分対応できる医療施設で、造血幹細胞移植に十分な知識と経験を有する医師の下で、適切と判断される患者のみに行うとされております。禁忌は重症感染症を合併した患者、本薬の成分に過敏症の人であります。副作用は全例に見られ、口内炎・舌炎、悪心嘔吐、下痢などであり、重大な副作用としては静脈閉塞性肝疾患、感染症及び出血、ショック、アナフィラキシー様症状などの見られることがあります。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

前項へ 1 2 3 次項へ