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<スズケンDIアワー> 平成19年10月4日放送内容より スズケン

抗アルドステロン高血圧治療薬 エプレレノン


自治医科大学循環器内科 教授
苅尾 七臣

icon エプレレノンの投与法

各国の高血圧治療ガイドライン

 エプレレノンの投与法ですが、日本高血圧ガイドラインJSH2004、アメリカの高血圧ガイドラインなどこれまでのガイドライン、また、本年6月に発表されましたヨーロッパ高血圧学会のガイドラインなどによりますと、エプレレノンは心不全を合併した高血圧患者にまず使用するというコンセンサスが得られております。また、心筋梗塞後の高血圧患者にも非常に良いとして推奨されております。

EPHESUS:試験デザイン

 その根拠となるようなエビデンスのお話をさせていただきたいと思います。エフェサス試験という試験がこれまでに行われておりますが、これは、心筋梗塞後の左室機能が低下した人、すなわち左室の駆出分画が40%以下の人および心不全の患者約6,600名を対象とした臨床試験です。ARBやACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬などの標準的な治療に加えてプラセボもしくはエプレレノンを25〜50mg/dayを併用し、その予後を追跡しております。この2群間での平均追跡期間は16ヵ月であります。エプレレノンの平均投与量は、この集団では2.6mg/dayとなっております。1次エンドポイントは、総死亡と心血管死亡また心血管イベンとの発生になります。2次エンドポイントは、総死亡またはすべての入院または心血管疾患による死亡ということになっております。

ロクロニウムとベクロニウムの比較

 ここで非常に注目すべきことは、1次エンドポイントの総死亡の相対リスクが約15%明確に低下したということです。総死亡の減少というのは、この試験開始の早期から認められたという点で非常に注目に値します。エプレレノンの追加投与によって、2次予後のエンドポイントである心臓突然死の相対リスクは、約21%も低下しております。そして、全症例においてエプレレノンの追加投与により総死亡、心血管死亡、そして心臓突然死の相対リスクが低下しましたけども、それに高血圧の既往例約4,000名に限定して解析をしますと、総死亡、心血管死亡、心臓突然死の相対リスクは、それぞれ23%、16%、26%とさらに著明に減少しております。これらの成績からエプレレノンは、心疾患のみならず心保護を考慮した高圧治療にも適しているという判断がなされております。これが、この薬が降圧薬として心不全および心筋梗塞後の高血圧に適しているとされるもっとも強固なエビデンスになっております。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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