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<スズケンDIアワー> 平成19年10月25日放送内容より スズケン

日本社会薬学会第26年会


東京理科大学薬学部 教授
上村 直樹

icon 第26年会のメインテーマについて

 平成19年9月16日、17日の両日にわたり日本社会薬学会第26年会が、東京理科大学薬学部で開催されました。本日はそのご報告と学会についてお話ししたいと思います。日本社会薬学会は社会薬学研究会が前身となり1982年に学会として設立されました。今年で25周年を迎えました。研究会の時に第1年会を開催しているため、年会としては26回目になります。

年会ポスター

 今年は「社会が育てる薬剤師、社会を育てる薬剤師」というテーマです。「社会が」と「社会を」の「が」と「を」の違いですが、180度違う角度から社会と薬剤師の接点を探りたいと考えて、このテーマにしました。学会前日には千葉県柏市のアミュゼ柏クリスタルホールにて、市民フォーラムが開催されました。千葉県薬剤師会副会長の米澤正明氏による「生活習慣病の予防と対策」の話や柏市薬剤師会副会長の浅井実氏による「医療と庶民感覚」の話がありました。社会と薬学を結ぶ接点を科学する日本社会薬学会は、この市民フォーラムの開催を学会の原点と考えています。翌日からの学会には300名近くの参加者と60演題にもおよぶポスター発表がありました。

icon 第一日目の講演から

 第一日目の最初は、特別講演として厚生労働省保険局医療課薬剤管理官の磯部総一郎氏が「薬剤師に関わる医療制度改革について」と題して講演されました。

磯部氏講演写真

 薬局を医療提供施設として位置付けることは、地域における医薬品供給体制の中核として責務を担うことに意味があり、そのため、休日・夜間の調剤や在宅における服薬指導支援業務や無薬局地域における調剤など、いわば不採算でも地域医療を守るために必要な業務は、各薬局が協力して実践していかなければならないということ。後期高齢者は複数の医療機関を受診する傾向があるため、重複投与や相互作用の発生防止を目的とした同一薬局での使用医薬品の管理やお薬手帳の活用促進や在宅医療における薬剤師を含めた医療関係者チームとしての対応が求められること。そして最後に後発医薬品の使用促進については、国民が関心を持つ後発医薬品について、薬剤師による丁寧な説明が必要であると話されました。

年会長講演写真

 次に私が年会長講演として「大学教育における実務家教員の役割」と題して、大学と現場の乖離を埋めるためにも実務家教員の役割がこれからますます重要になってくると言う話をさせていただきました。医学部では昔から午前中に外来診療した医師が午後は教壇に立つというのが当たり前でした。しかし薬学部にはそのようなカリキュラムはありません。しかし6年制になり、実務家教員が入り始めたこれからは、医学部と同じようなカリキュラムを実施することができます。大学にいないのは、本物の患者です。それは実務実習に託すとして信頼できる薬剤師の背中を見せることは大学でも可能になりそうです。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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