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<スズケンDIアワー> 平成19年10月25日放送内容より スズケン

日本社会薬学会第26年会


東京理科大学薬学部 教授
上村 直樹

icon 社会薬学の意義

 さて、最後に社会薬学とはどんな学問なのか、どのような学会なのかについてお話ししたいと思います。
 学会副会長の共立薬科大学 福島紀子教授はつぎのように定義しています。
 社会の要求が前提となって動き始めた学問であり、机上の学問ではなく、小さなモデル活動を通じて、成果を社会に問い、そのフィードバックを薬学全体に浸透させることで、社会と薬学の回路を成立させることを使命とした学問である。
 つまり、社会薬学は、社会と薬学の接点に位置し、社会の要求の変化に応える薬学の存在意義を、具体的な積み重ねの作業を通じて体系的に整理し、薬学の各種の活動を「社会を豊にする活動」として社会に問うという立場をとるものと言えます。
 当初、薬害などの社会現象の掘り起こし作業から始まった活動は、それを防止する制度や、しくみ、法律、薬学教育のありかた、社会と薬剤師の接し方へと軸足を変えていきました。複雑にからみ合った社会事象を対象としての活動のため、多岐にわたる意見や異論が起こります。しかし相互の主張や立場を尊重して、「薬学の立場から、社会を豊にするための活動提案を社会に問う」という一点で揺るぎのない活動をつづけていくことが重要であります。
 これからの社会薬学も多くの課題を抱えています。薬学6年制で薬剤師がどのように変わるのか、そしてその薬剤師達は社会にどれだけ貢献できるのか。また、雨後の竹の子のように乱立した薬学部・薬科大学によって、薬剤師数が大幅に増えて参ります。薬剤師の就業先の拡大や収入の確保など難題が山積しています。いままでのように薬局や病院、製薬企業、大学進学だけでなく薬剤師が働くことで社会が豊になる職種があるはすです。またこれから起きてくる社会の問題点を薬学の立場でどのように応えていくのか? 日本社会薬学会はサイエンスの眼でそれに応えていくだけでなく、学会から社会に対して様々なアピールをしていくつもりです。薬学の立場から社会を豊にする活動提案にどうぞご期待ください。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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