→ 番組表はこちら
→ストリーミング版はこちら
<スズケンDIアワー> 平成19年11月1日放送内容より スズケン

骨転移疼痛緩和治療薬 塩化ストロンチウム89


癌研有明病院 副院長
山下 孝

icon 塩化ストロンチウム89の投与法と留意点

 効能又は効果は、固形癌患者における骨シンチグラフィで陽性像を呈する骨転移部位の疼痛緩和が目的です。
 用法・用量は通常、成人には1回2.0MBq/kgを静注するが、最大141MBqまでとし反復投与をする場合には、投与間隔は少なくとも3ヵ月以上です。
 警告・禁忌としては

  1. 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法、放射線治療及び緩和医療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、治療開始に先立ち、患者又はその家族に危険性及び有効性を十分説明し同意を得てから投与すること。
  2. 本剤による骨髄抑制に起因したと考えられる死亡例が認められていますので、本剤の投与後は定期的に血液検査を行い、骨髄抑制について確認すること。
    が、治療の条件です。

 禁忌は

  1. 重篤な骨髄抑制のある患者です。臨床試験において、その変動が異常であり、本剤との関連性が否定されなかった血小板数、白血球数及びヘモグロビン値の減少が、それぞれ 14.4%(13/90例)、14.4%(13/90例)及び8.9%(8/90例)の患者にみられました。
  2. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人です。

臨床適応

 適応患者をまとめますと、 適切な患者とは以下の総ての条件を満たす患者です。

  1. 固形がんが確認された患者
  2. 骨シンチで多発性骨転移がみとめられた取り込み増加部位と一致する多発性の疼痛部位を有する患者
  3. NSAID、オピオイド等の鎮痛薬でもコントロールが不十分な患者
  4. 外部放射線治療の適応が困難な患者
  5. 臨床的価値が得られる生存期間が期待できる患者
  6. 十分な血液学的機能を有する患者(NCI・G1以下)

 適切でない患者としては
  1. 重篤な骨髄抑制のある患者 (禁忌1該当)
  2. 禁忌1に該当しないが、血液学的機能が安定せず急激な低下が認められる患者
  3. 過去3ヶ月以内に本薬の投薬を受けた患者
  4. DICと診断された患者
  5. 重篤な腎障害のある患者
  6. 多発性骨髄腫のある患者

 です。
 また、本薬は以下の目的で投与しないとされています。

  1. 骨転移部位の腫瘍に対する治療を目的として使用しない
  2. 脊椎転移に伴う脊髄圧迫を有し、治療に緊急を要する場合に放射線照射の代替として使用しない
  3. 悪性腫瘍の骨転移に伴う骨折予防・治療を目的として使用しない

 

提供 : 株式会社スズケン

      

前項へ 1 2 3 次項へ