→ 番組表はこちら
→ストリーミング版はこちら
<スズケンDIアワー> 平成19年11月15日放送内容より スズケン

エストラジオール ゲル製剤


東京女子医科大学産婦人科 主任教授
太田 博明

icon エストラジオールゲル剤の特徴

 それではこのエストラジオール ゲル剤の特徴と用途についてお話しましょう。

ディビゲルの特徴

 本剤は先にお話しましたように経皮吸収エストラジオールゲル剤で、エストラジオールを皮膚から吸収させて直接全身循環系に到達させ、経口投与のように胃腸などの消化器症状の出現の心配のないことはもとより、肝臓の初回通過を受けない薬剤です。肝臓の初回通過を受けないということはどのようなメリットがあるかというと、肝機能障害のないことはもちろんですが、中性脂肪の上昇やLDL粒子の小粒子化が先ずないことです。つまり酸化されにくくなり、動脈硬化に対して抑制的に作用するということです。また、血管の炎症が活発になると動脈硬化の発症・進展を促進しますが、高感度のCRPなどの炎症マーカーの上昇はありませんので、動脈硬化に対して抑制的に作用します。
 さらに本剤のエストラジオールは天然型で生体内物質と同一の化学構造を有し、エストロゲンの中では最も作用が強いとされております。なお、経皮吸収剤はこのゲル剤がわが国では登場する前まではテープ剤、パッチ剤のみでしたが、これらに比較して皮膚刺激性の軽減が期待できます。
 用法・用量は1日1本使い切りタイプにて、1包中に乳白色透明のゲル剤1.0gが入っており、1包1g中エストラジオールとしては1mgを含有しています。1日1回左右いずれかの大腿部もしくは下腹部に約20cm四方、400cm2の範囲に塗布します。

全試験結果のまとめ

 この用法・用量で反復塗布したときの血清中エストラジオール濃度は有効血中濃度といわれる30〜60pg/mLの範囲となり、塗布24時間後で30pg/mLを維持していますが、48時間後には20pg/mL、そして72時間後には15pg/mLの推移を示します。
 なお、ラットにおけるゲル剤塗布後の吸収効果を皮膚ミクロオートラジオグラムで調べた研究ではエストラジオールは4時間後に角層に認められ、48時間後および96時間後にも残存するといわれています。

貼付剤とゲル剤の経皮吸収メカニズムの差異

 このことはエストラジオールゲル剤はエタノールなどの吸収促進効果で速やかな初期吸収を、さらに角層リザーバー(貯留)効果で緩やかに吸収され全身循環に入り効果を発揮するものと考えられます。またパッチ剤とゲル剤の経皮吸収メカニズムの差異としましては、パッチ剤では薬剤に含まれる薬物が一定の速度で吸収されるのに対し、ゲル剤では添加剤の吸収促進効果により薬物が吸収され、角層リザーバー(貯留)効果により徐々に吸収されると考えられています。このことから、同じ経皮吸収剤でもゲル剤は角層からさらに表皮の深部まで浸透するので、皮膚改善効果も期待できるのではないかともいわれています。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

前項へ 1 2 3 次項へ