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<スズケンDIアワー> 平成19年11月22日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠について(20)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

 前回の放送でお伝えできなかった新医薬品の薬価算定根拠について説明します。

icon ゼチーア錠とウトリス錠、ステーブラ錠の薬価算定

ゼチーア錠、ウトリス錠・ステーブラ錠の薬価算定根拠

 はじめは、ゼチーア錠です。有効成分は、エゼチミブで、シェリング・プラウの開発です。エゼチミブは、コレステロール吸収抑制作用を有し、「高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、ホモ接合体性シトステロール血症」を効能・効果とします。効能効果、薬理作用等が類似している、コレスチミドの製剤である三菱ウエルファーマのコレバイン錠を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。本剤は、ホモシトステロール血症の効能を有する初めての医薬品であることなどを踏まえ、有用性加算(II)が適用されました。
  次は、ウリトス錠及びステーブラ錠です。有効成分は、イミダフェナシンで、ウリトス錠は杏林製薬、ステーブラ錠は小野薬品工業の開発です。イミダフェナシンは、膀胱平滑筋弛緩作用を有し、「過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁」を効能効果とします。補正加算のいずれの要件にも該当せず、効能効果、薬理作用等が類似する内用薬が既に3つ以上あることから、類似薬効比較方式(II)で算定が行われました。比較対照薬の選定に当たっては、最も類似していると考えられる薬の薬価、過去10年間に薬価収載された類似薬の平均薬価、過去6年間に収載された類似薬の最低薬価を比較し、最も薬価の低かった、最類似薬であるコハク酸ソリフェナシンの製剤であるアステラス製薬のベシケア錠が比較対照薬とされました。

icon アクトネル錠・ベネット錠及びフルダラ錠の薬価算定

アクトネル錠・ベネット錠とフルダラ錠の薬価算定根拠

 次は、アクトネル錠及びベネット錠です。有効成分は、リセドロン酸ナトリウム水和物で、アクトネル錠は味の素、ベネット錠は武田薬品工業の開発です。リセドロン酸ナトリウム水和物は、骨吸収抑制作用を有し、「骨粗鬆症」を効能効果とします。従来の製品は1日1回投与であったのに対し、本剤は1週間に1回投与となっています。そこで、薬価算定に当たっては、同様に1日1回投与の製剤と週1回投与の製剤がある、アレンドロン酸ナトリウム水和物の製剤である萬有製薬のフォサマック錠及び帝人ファーマのボナロン錠の規格間比0.9157を用いた規格間調整が行われました。
 次は、フルダラ錠です。有効成分は、リン酸フルダラビンで、日本シェーリングの開発です。リン酸フルダラビンは、DNA・RNAポリメラーゼ阻害作用による核酸合成過程の代謝阻害作用を有し、「再発又は難治性の、低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫」を効能効果とします。本剤は、同一有効成分の注射剤が既にあることから、これを比較対照薬とする類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。剤形間比としては、メルファランの製剤であるグラクソ・スミスクラインのアルケラン錠とアルケラン静注用との剤形間比0.5622が用いられました。また、従来は5日から7日間の持続点滴静注を必要とするのに対し、本剤では患者の身体的拘束等の軽減が期待されることなどを踏まえ、有用性加算(II)が適用されました。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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