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<スズケンDIアワー> 平成19年11月22日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠について(20)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon ネスプ静注用シリンジ、アバスチン点滴静注用の薬価算定

スプス静注用シリンジ、アバスチン点滴静注用の薬価算定根拠

 次は、ネスプ静注用シリンジです。有効成分は、遺伝子組換えのダルベポエチンアルファで麒麟麦酒の開発です。ダルベポエチンアルファは、赤血球増加作用を有し、「透析施行中の腎性貧血」を効能効果とします。同じ麒麟麦酒の遺伝子組換えエポエチンアルファの製剤であるエスポー注射液シリンジを比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。なお外国平均価格調整による引き上げが行われています。ネスプ静注用シリンジには10μg〜120μgまでの7規格がありますが、規格間比としてはエスポー注射液3000シリンジと1500シリンジとの規格間比0.8468が用いられました。
 次は、アバスチン点滴静注用です。有効成分は、遺伝子組換えのベバシズマブで、中外製薬の開発です。ベバシズマブは血管新生阻害作用を有し、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」を効能効果とします。同様の効能効果等を持つ類似薬がないことから、原価計算方式により算定が行われました。

icon ミケランLA点眼液、オルベスコインヘラーの薬価算定 

ミケランLA点眼液、オルベスコインヘラーの薬価算定根拠

 次は、ミケランLA点眼液です。有効成分は、カルテオロール塩酸塩で大塚製薬の開発です。カルテオロール塩酸塩は、交感神経β受容体遮断作用に基づく房水産生抑制作用を有し、「緑内障、高眼圧症」を効能効果とします。従来の1日2回投与から1日1回投与に変更した製剤で、従来製品を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定されました。なお、外国価格調整による引下げが行われています。
 次は、オルベスコインヘラーです。有効成分は、シクレソニドで帝人ファーマの開発です。シクレソニドは抗炎症作用を有し、「気管支喘息」を効能効果とします。補正加算のいずれの要件にも該当せず、効能効果、薬理作用等が類似する吸入剤が既に3つ以上あることから、類似薬効比較方式(II)で算定が行われました。比較対照薬の選定に当たっては、最も類似していると考えられる薬の薬価、過去10年間に薬価収載された類似薬の平均薬価、過去6年間に収載された類似薬の最低薬価を比較し、最も薬価の低かった、過去6年間に収載された類似薬の最低薬価が採用されることとなり、プロピオン酸ベクロメタゾンの製剤である大日本住友製薬のキュバールエアゾールが比較対照薬とされました。なお、キット加算が適用されています。

icon アドエアディスカスの薬価算定 

アドエアディスカスの薬価算定根拠

 次は、アドエアディスカスです。有効成分は、キシナホ酸サルメテロールとプロピオン酸フルチカゾンの配合剤でグラクソ・スミスクラインの開発です。キシナホ酸サルメテロールは気管支拡張作用をまたプロピオン酸フルチカゾンは抗炎症作用を有し、「気管支喘息」を効能効果とします。両成分とも既に市販されていることから、これらを比較対照薬とした類似薬効比較方式(I)で算定されました。薬価は両剤の合計と等しくなっています。

 以上の13成分28品目は本年5月30日の中医協総会で審議され、6月8日に薬価基準に収載されました。
 今年(2007年)は新薬の承認が多く、この後も9月21日はトピナ錠など9成分14品目が、また10月17日にはエラプレース点滴静注液1成分1品目が薬価基準に収載されましたが、時間の関係で説明は次回にまわさせていただきます。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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