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<スズケンDIアワー> 平成19年12月13日放送内容より スズケン

医薬品・医療機器等安全情報最近の話題(10)


NTT東日本関東病院 薬剤部長
折井 孝男

 今回は、医薬品・医療機器等安全性情報No.240の中から、平成18年度のインフルエンザワクチンによる副作用の報告等について紹介します。

icon インフルエンザとは

インフルエンザとはどういう病気ですか

 最初にインフルエンザについてですが、一般にインフルエンザは、感染後1日から2日の潜伏期の後に38度以上の発熱をもって突然発症し、初期には頭痛、全身倦怠感、関節痛、筋肉痛などの強い全身症状を示すことが特徴です。その後せき、痰などの呼吸器症状が現れて、数日の間寝込まざるを得ない状態が続きますが、通常は1週間以内に回復します。毎年1月下旬から2月にかけて流行するウイルス感染症であり、多くのお子さんが消耗する病気です。従来から、全国で毎年100名前後の乳幼児が、インフルエンザの症状がみられてから数時間から翌日までの間に、意識障害や異常言動を伴う脳症を発病しており、1990年代中ごろからその原因調査・研究と対策について検討が行われてきました。近年では、インフルエンザの迅速な診断技術が普及し、新しい治療薬が開発されて使用されるようになりました。

普通のかぜとインフルエンザは・・・

 インフルエンザ予防対策の中心は予防接種であるということが世界的に広く受け入れられています。現在のインフルエンザワクチンは、ワクチン製造用のインフルエンザウイルスを発育鶏卵に接種して増殖させ、漿尿液から精製・濃縮したウイルスをエーテルで部分分解し、更にホルマリンで不活化したものです。ウイルス粒子そのものを不活化した全粒子ワクチンと区別するために、HAワクチンと呼ばれています。日本でインフルエンザワクチンが本格的に導入されたのは1957年のアジアカゼ大流行の時ですが、当時は全粒子ワクチンでした。ワクチン接種後に長期間にわたって強い感染防御免疫が誘導されるポリオワクチンや麻疹ワクチンとは異なり、インフルエンザワクチンは、ウイルスの感染やインフルエンザの発症を完全には防ぐことは出来ません。ここに現在のインフルエンザワクチンの限界があります。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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