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<スズケンDIアワー> 平成20年2月21日放送内容より スズケン

子宮内膜症治療薬


東京大学大学院 女性診療科・産科 教授
武谷 雄二

icon ジエノゲストの臨床試験成績

 海外のデータですが、ジエノゲストを1日1回2mまたは4mg、24週間にわたり子宮内膜症例に経口投与した研究があります。

ジエノゲスト療法とr-AFSスコア

 投与前後に腹腔鏡で子宮内膜症の広がりを観察していますが、r-AFSスコアは2mg群、4mg群でそれぞれ11.4、9.7だったものが投与終了時ではそれぞれ3.6及び3.9に低下しております。

ジエノゲストと酢酸リュープロレリによる痛みの抑制

 また、小規模の試験ですがジエノゲスト2mg/回/日と酢酸リュープロレリン3.75mgを6ヶ月間投与し、痛みに対する効果を比較した試験があります。骨盤痛のスコアでは酢酸リュープロレリン投与群で2.1から0.3改善したのに対し、ジエノゲスト投与群では1.8から0.3に改善し、両薬間で差は認められませんでした。さらに性交痛のスコアでは酢酸リュープロレリン投与群では1.1から0.17に改善したのに対し、ジエノゲスト群では1.3から0に改善し、薬物間に差は認められませんでした。国内の第III相試験としてジエノゲスト2mg/日でGnRHアゴニストに対する非劣性試験が行われました。ジエノゲストの有効率は全般改善度における、改善以上の効果を示しました。比率は78%であり、GnRHアゴニストに対する非劣性が証明されました。

ジエノゲストの長期投与試験成績

 ジエノゲストは長期投与試験において24週時の全般改善度は72.5%でした。投与52週時には改善以上の比率が90.6%であり、投与の継続により改善率がさらに上昇しました。自覚所見に限りますと24週では、「改善以上」の比率が78%であったのに対し52週では85%でした。一方、「他覚所見の改善」では24週では79%であったのに対し、52週では95%でした。このように自他覚症状、使用期間ともに効果が増強しています。骨密度に関しては52週の時点で1.7%程度の減少であり、ほとんど影響はありませんでした。

icon まとめ

 以上のようにジエノゲストは本法ではGnRHアゴニストに対して非劣性性が証明され海外のデータではありますが、r-AFSスコアの改善率も約60%で、従来の治療薬であるGnRHアゴニストあるいはダナゾールと比較して同等またはそれ以上と考えられました。長期投与で投与期間の延長とともに高い自覚症状及び他覚所見の改善率を示したことから本薬の有効性が期待されるわけであります。ジエノゲストの単剤投与での子宮内膜症治療は世界ではじめて正式に承認されたものですが、エストロゲン製剤との併用は低用量避妊薬としてヨーロッパでは広汎に使用されています。これは本法での用量と同じジエノゲスト2mgを含有していますが、脂質代謝への影響、凝固系への影響は他の低用量ピルと同等であると報告されており、ジエノゲスト単剤の安全性は高いと推定されます。国内治験においてもこれらのパラメータに対する影響はないか、軽微であり、体重に対する影響もほとんど認められませんでした。本剤の副作用としてプロジェスチン単剤ですので不正性器出血が多く見られます。本薬の服用指導にあたっては十分な説明が必要かと思われます。このようにジエノゲストは子宮内膜症の治療薬として既存の薬剤と同等の効果を示しつつ副作用は比較的少なく投与期間の制限もありません。したがって従来の内膜症治療薬と組み合わせることで薬物療法のバリエーションが増えたと申せましょう。本薬の導入により個々の患者に応じたきめ細かな治療が可能になると考えられます。

 

提供 : 株式会社スズケン

      

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