獨協医科大学 名誉学長
原田 尚
非ステロイド性消炎鎮痛薬:セレコキシブ
次は非ステロイド性消炎鎮痛剤:セレコキシブについてお話します。

この薬は1992年、米国において合成された世界最初のコキシブ系の非ステロイド性の消炎鎮痛薬です。現在世界100カ国以上で承認され、わが国でも昨年、薬価収載されました。
効能・効果は関節リウマチおよび変形性関節症で、関節リウマチに対しては成人では本薬を1回100mgないし200mgを1日2回、朝夕食後に経口投与します。また、変形性の関節症では1回100mgを1日2回、朝夕食後に経口投与します。副作用として検査値異常が13%に見られ、重大な副作用としてはショック、アナフィラキシー様症状のほか、心筋梗塞、脳卒中、心不全などが見られることがあります。
不整脈治療剤:塩酸アミオダロン
次に不整脈治療剤:塩酸アミオダロンについてお話します。

この薬はベンゾフラン誘導体で心筋のカリウムチャネルを遮断するとともにナトリウムチャネル、カルシウムチャネル遮断作用及び抗アドレナリン作用を合わせ有しています。不整脈治療剤として世界120カ国以上で承認され、わが国でも1992年に経口剤として承認されましたが、今回は注射剤として開発されました。
効能・効果は生命に危険のある心室細動、血行動態不安定な心室拍動による不整脈で、難治性かつ緊急を要するものとされております。初期急速投与としては本薬125mgを5%のブドウ糖100mLに加えて、容量型の持続注入ポンプを用いて、時間あたり600mLの速度で10分間投与いたします。副作用としては75%に見られ、血圧低下、血中甲状腺刺激ホルモンの増加、心電図でQTの延長などであり、重大な副作用として間質性肺炎などが見られることがあります。
超音波診断用造影剤:ぺルフルブタン
最後に超音波診断用造影剤ぺルフルブタンについてお話します。

この薬はぺルフルブタンを内包させたPFBマイクロバブルを充填した凍結乾燥注射剤であります。その懸濁液を静脈内に投与することによって、血管内あるいは肝臓などに移行した臓器中のマイクロバブルが照射された超音波を効率良く反射、散乱させ、腫瘤性病変の血管や臓器実質を造影します。
効能・効果は超音波検査における腫瘤性病変の診断です。1バイヤルを注射用水2mLに懸濁し、通常その0.015mL/kgを静脈内に投与いたします。副作用は6%にみられ、下痢、頭痛、蛋白尿等です。
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