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<スズケンDIアワー> 平成20年3月13日放送内容より スズケン

医薬品・医療機器等安全性情報 最近の話題(11)


NTT東日本関東病院 薬剤部長
折井 孝男

icon 服用後の異常行動への注意喚起

緊急安全性情報

 これらの報告を受け、同じ平成19年3月、厚生労働省は添付文書を改訂するとともに、「緊急安全性情報」を医療機関等に配布し、タミフル服用後の異常行動について、更に医療関係者の注意を喚起するよう、製薬企業に指示を出しました。
 平成19年4月、薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(以下、安全対策調査会)が開催され、タミフルの副作用について、販売が開始された平成13年2月から平成19年3月20日までに製薬企業から報告された全ての副作用報告1079症例等について検討が行われました。その検討では、タミフルの服用と転落・飛び降り又はこれらにつながるような異常な行動、以下「異常な行動」とします。このような異常な行動や突然死などの副作用との関係について結論は得られませんでした。また、当面の措置として、平成19年3月の緊急安全性情報の配布等に係る措置を継続することは妥当とされました。

臨床WGと基礎WGの主な検討事項

 安全対策調査会は、タミフルの服用と異常な行動等の副作用との関係について結論の取りまとめを行うため、平成19年4月、6月及び11月に会議を開催しています。
 平成19年6月にはタミフルの安全性について希望団体等からの意見陳述の聴取を行っています。また、平成19年6月及び11月には「リン酸オセルタミビルの基礎的調査検討のためのワーキンググループ(基礎WG)」及び「リン酸オセルタミビルの臨床的調査検討のためのワーキンググループ(臨床WG)」から調査検討の状況について報告を受けて検討を進めてきました。
 平成19年12月、安全対策調査会は、基礎WG及び臨床WGから非臨床試験(動物実験等)、臨床試験、さらに現時点では、明確な結論を得るために必要な解析には至っていませんが疫学調査等の結果について報告を受けました。その結果、現時点では、直ちにタミフルの服用と異常な行動及び突然死との因果関係を示唆するような結果は得られていませんが、特に、疫学調査及び臨床試験については、十分かつ慎重な検討や分析を進め、可及的速やかに臨床WG及び安全対策調査会に報告することが適当であるとしました。
 基礎WGにおける非臨床試験では、バインディング・アッセイの結果、臨床用量投与時に推定されるタミフルの未変化体及び活性代謝物の脳中濃度では多くの中枢性の受容体やイオンチャネル系への作用を持たないとされたこと等。
 臨床WGにおける臨床試験では、睡眠検査室試験の中間解析によると、タミフルについて、睡眠異常を起こさないこと、心電図検査において著明な変化が認められないことなどが確認されたこと等。
 このような検討報告から、安全対策調査会としては、引き続き基礎WG及び臨床WGにおいて、現在実施中又は解析中の非臨床試験、臨床試験及び疫学調査等の結果を含めた更なる調査検討を進め、できるだけ早期に最終的な結論の取りまとめを行うこととしています。
 また、インフルエンザによって異常行動が起こり得ることに対しては、改めて医療関係者及び国民の注意を喚起する必要があるとしています。
 以上の検討結果等を踏まえ、タミフルについて現在行われている措置は、現在も妥当であり、引き続き医療関係者、患者・家族等に対し注意喚起を図ることが適当であるとしています。

icon 投与時の留意点

 タミフルについて現在行われている措置としては、平成19年3月の緊急安全性情報において、10歳以上の未成年の患者においては、因果関係は不明であるものの、タミフルの服用後に異常行動を発現し、転落等の事故に至った例が報告されています。このため、この年代の患者には、合併症、既往歴等からハイリスク患者と判断される場合を除いては、原則としてタミフルの使用を差し控えることとしています。
 また、小児・未成年者については、万が一の事故を防止するための予防的な対応として、タミフルによる治療が開始された後は、

  1. 異常行動の発現のおそれがあること、
  2.  
  3. 自宅において療養を行う場合、少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮することについて患者・家族に対し説明を行うこと。
 なお、インフルエンザ脳症等によっても、同様の症状が現れるとの報告があるので、タミフルと同様の説明を行うこととしています。
 さらに、ザナミビル水和物(商品名リレンザ)及び塩酸アマンタジン(商品名シンメトレル等)について、添付文書の使用上の注意に記載し、インフルエンザに罹患した小児・未成年者の異常行動発現のおそれについて改めて医療関係者、患者・家族等に対し注意喚起を図ることが適当であるとしました。

 

提供 : 株式会社スズケン

    

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