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<スズケンDIアワー> 平成20年3月27日放送内容より スズケン

DI実例集(159)日本医療機能評価機構の紹介と医療事故について


東京慈恵会医科大学附属病院薬剤部医薬品情報室 室長
北村 正樹

icon 医療事故情報収集事業について

 この中でも、医療安全に関するものとしては医療事故の発生防止及び再発の予防を目的とした「医療事故情報収集等事業」があります。この事業では、医療事故情報収集・分析・提供事業、ヒヤリ・ハット事例(重大な事故には至らなかった事故の一歩手前の事例)収集・分析・提供事業の2つに大別されています。
 これらの事業は、厚生労働省の平成13年10月から開始した「医療安全対策ネットワーク整備事業(ヒヤリ・ハット事例収集事業)」が始まり、医薬品医療機器総合機構が行っていたものであります。その後、厚生労働省の平成16年9月21日付の省令(医療法施行規則の一部改正)により、特定機能病院などに対して医療事故の報告を義務づけました。それと同時に、評価機構に対してもこの省令に定める事故等の分析事業を行う登録分析機関となりました。
 評価機構は、収集した医療事故等の情報やその集計、分析の結果を報告書として取りまとめ、医療従事者、国民、行政機関など広く社会に対して、定期的な報告書や年報、ファックスによる月に1回程度、医療安全情報としてホームページに提供しています。最近の報告書での提供は2007年(平成19年)12月19日に第11回目が公表されています。
 今までの報告書では2006年の1年間で国立病院や大学病院など主な247医療機関で、医療事故に繋がりかねないヒヤリ・ハット事例が19万5609件(ちなみに2005年では18万2898件)と公表されています。そして、その中には患者の生命に影響を及ぼしかねない重大なものとして3155件含まれていることも判明しています。原因としては「確認不十分」が全体の25.3%と最も多く、「観察が不十分」と「思い込み」など「心理的状況」がそれぞれ13.2%、多忙や当直明けなど「勤務状況」が9.1%と続いています。このように主にヒューマンエラーによるものが圧倒的に多いのが現状といえます。
 医療安全情報としては今まで15回ホームページ上でもPDF形式にて報告されています。

医療安全情報

 これらは、医療従事者が再度注意喚起を必要とする重要な問題(具体的には確認不十分、思い込みなど)が指摘されています。
 今回、この医療安全情報の中の一部[含量誤認(No.1に該当)と製剤の総量・有効成分量の誤認(No.9に該当)]をご紹介します。

icon 含量誤認例について

 含量の誤認については、医療安全情報ではインスリン製剤において報告されています。

誤認した事例 製薬会社の改善

 バイアルのラベル表記(スライド)で1バイアル(1000単位、10mL)が100単位、10mLとの誤認し、患者へ実際の投与濃度の10倍投与してしまった事例です。事例が発生した医療機関では「インスリンの濃度は、100単位1mLで、1バイアル10mL 1000単位であることを周知徹底」と改善を行いました。この事例に限らず医薬品の名称について行政、及び製薬会社でも誤認防止の改善策が図られてきています。

 

提供 : 株式会社スズケン

    

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