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<スズケンDIアワー> 平成20年4月10日放送内容より スズケン

片頭痛治療薬 ナラトリプタン塩酸塩


東京女子医科大学脳神経外科頭痛外来 講師
清水 俊彦

icon 症状・患者ニーズに応じた治療選択の実現

 片頭痛に対するトリプタン系薬剤の有効性は、多くのエビデンスから明らかにされていますが、一部の患者においては治療上の問題点として、頭痛の再発が指摘されています。
  再発は、片頭痛発作発現後すみやかにトリプタン系薬剤を服用して早期に発作を抑えることで、ある程度回避が可能とされていますが、一般にトリプタン系薬剤を使っている患者の約2〜4割に再発がみられているという報告があります。ナラトリプタンの半減期は約5時間と本邦で使用可能なトリプタン系薬剤の中では最も長く、国内臨床試験において臨床的にも効果持続性が認められましたが、この特性から再発の抑制が期待されます。例えば、トリプタン系薬剤の効果が認められるものの再発するために複数回服薬を必要としていた患者にとっては、持続的な効果が得られれば、治療満足度が高まるとともに薬剤使用量の節約、ひいては経済的な負担の軽減も期待できます。

月経周期における片頭痛発作の持続時間

 また、持続時間の長い片頭痛発作の例として月経関連片頭痛があります。月経関連片頭痛は、国際頭痛分類のAppendixにおいて「前兆のない片頭痛」が月経開始2日前から3日目までに生じ、月経周期3回中2回以上で認めると定義されており、その特徴は、持続時間が長く再発しやすい、重度の傾向があり治療抵抗性であると言われています。月経に関連しない片頭痛発作の平均持続時間は16時間であったのに対して、月経に関連した片頭痛発作の持続時間は平均24〜34時間と有意に長い傾向であったという報告があるように、月経前後に起こる片頭痛発作は数日間続くことがあり、頭痛の再発に苦慮している患者さんも多いと考えられます。ナラトリプタンの製品特性から考えると、このような持続時間の長い片頭痛発作に対する有用性が期待されます。
 実際に、月経関連片頭痛への急性期治療としてナラトリプタンを投与した試験が実施されており、頭痛消失率と患者満足度によって評価されていますので、ここで紹介します。

ナラトリプタン:月経関連片頭痛に対する治療成績

 頭痛消失とは頭痛が完全になくなった状態であり、頭痛改善よりも厳しい評価基準となっていますが、投与2時間後の頭痛消失率は43%、投与4時間後には58%と、いずれの時点においてもプラセボに対して有意な頭痛消失効果が確認されました。また、ナラトリプタン群の71%の方が治療に対して満足と回答しており、この試験成績から、ナラトリプタンの月経関連片頭痛に対する有用性が示唆されました。
 ナラトリプタンは、海外において「ジェントル・トリプタン」とも呼ばれているように、その良好な忍容性も大きな特性です。他のトリプタン系薬剤で副作用の問題があった患者や、初めてトリプタン系薬剤を使用する患者にも処方しやすい薬剤と考えられます。一方、立ち上がりが比較的ゆるやかなため、片頭痛の痛みを感じたら早期に服薬するよう患者にご指導いただくことが、治療満足度向上のためには重要なポイントです。片頭痛発作発現後できるだけ早く神経炎症の遷延化を抑制することが片頭痛発作の鎮静化のために重要であることは、トリプタン系薬剤の作用機序から考えてもお分かりいただけると思います。

 

提供 : 株式会社スズケン



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