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<スズケンDIアワー> 平成20年4月10日放送内容より スズケン

片頭痛治療薬 ナラトリプタン塩酸塩


東京女子医科大学脳神経外科頭痛外来 講師
清水 俊彦

icon ナラトリプタン使用上の留意点

 使用にあたっては、禁忌や相互作用などに注意する必要がありますが、基本的には他のトリプタン系薬剤と同様ですので、ナラトリプタンに特異な点を中心に解説いたします。
 用法・用量は1回2.5mgで、効果不十分な際には追加投与できますが、追加投与の際には前回の投与から4時間以上あける必要があります。他のトリプタン系薬剤では追加投与の際2時間あけることになっていますが、ナラトリプタンは半減期が長いために4時間以上と設定されています。また、1日の総投与量は5mg(2錠)までとされています。
 ナラトリプタンは肝臓で代謝され、腎臓で排泄されるため、肝機能障害患者や腎機能障害患者では血中濃度が上昇するおそれがあります。そのため、肝機能または腎機能障害患者は慎重投与となっており、1日の総投与量は2.5mgと設定されています。また、重度の肝機能または腎機能障害患者は禁忌です。
 トリプタン系薬剤に共通の注意として、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患、脳血管障害、末梢血管障害、コントロールされていない高血圧症の患者も投与禁忌となっています。また、ナラトリプタンと同様の作用を持つ、他のトリプタン系薬剤やエルゴタミン、エルゴタミン誘導体含有製剤が併用禁忌で、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)はセロトニン症候群が懸念されるため併用注意となっています。
 今回ナラトリプタンが処方可能となることで、治療の選択肢の幅がさらに広がり、より多くの片頭痛患者を救うことができるようになると考えられます。日常生活や社会生活に大きな支障をきたしている片頭痛患者を救うためには、それぞれのトリプタン製剤の特性をもとに個々の患者の症状やニーズに適した治療選択を心がけること、また治療効果を十分に得るためにも適切な服薬指導を行うことが重要です。現在、本邦では4つのトリプタン製剤が処方可能ですが、今後、ナラトリプタンが新たな選択肢として加わることは、我々臨床医にとっては大変有意義なことだと考えております。本日お話させていただきましたことが、先生方の片頭痛診療の一助になれば幸いです。

 

提供 : 株式会社スズケン



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