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<スズケンDIアワー> 平成20年5月15日放送内容より スズケン

添付文書の中の副作用(15)骨粗鬆症


帝京大学 名誉教授
清水 直容

icon 骨粗鬆症の診断と骨基質

 ご存知の通り骨というのはカルシウムです。体の中には約1kgのカルシウムがあるわけですが、その99%はハイドロキシアパタイト(カルシウムとフッ素がリン酸と結合している)いわゆる石灰化のリン酸化のものです。当然ですが、医薬品の副作用以外に、もともとその疾患があるかどうかを鑑別する必要があります。いわゆる続発性のオステオポローシスには、グルココルチコイドの増減が関係しています。クッシング病からオステオポローシスが発症する可能性がありますが、そのほかに甲状腺機能亢進症であるバセドウ病、性の染色体の問題であるターナー症候群などがあり、妊娠後にオステオポローシスに急になることもあります。また、まったく他の原因で臥床してしまった方でもオステオポローシスが起こります。そういうものは医薬品によるものではなく、診断では除外して考える必要があります。
 骨というものはまったく安定した、動きのないものと思われるかもしれませんが、実は毎日リモデリングという骨の形成と破壊というのが、じっとしていてもどんどん起こっています。それには3つの細胞が関連します。それは骨芽細胞、中心になる骨細胞、もうひとつはカルシウムをどんどん出してしまう破骨細胞で、この3つの骨細胞が関係しているわけです。

骨基質石灰化の模式図

 骨芽細胞は、血清中で、ある蛋白を作り、またそれの小胞という突起の部分は骨細胞の石灰化を起こす作用があります。一方の骨細胞の方も、小さな細い管の中にたくさんの突起を出しており、それが骨芽細胞と機能的に連絡しています。その小さな管の中には、1mm3中に2.5万個の骨細胞が存在しています。

破骨細胞の分化・成熟メカニズムとBP,Statin

 もうひとつの破骨細胞というのは、大きな核をたくさん持っている巨大な細胞で、このミネラルを溶解してしまう、有機成分を分解するということによって、破骨細胞と呼ばれています。通常はこの3つの細胞がうまくバランスをとり、状態が安定しているのです。
 それではオステオポローシスを疑った場合には、どういうように診断をするかですが、dual energy Xrey absorptionmetryでレントゲンの吸収度を測定するBMDによって、骨の密度がわかります。そのほかに定量的なCTによってもその測定ができます。このオステオポローシスの診断基準としては、若い方の骨密度の70%以下になった場合にオステオポローシスの診断をしますが、それ以外でも骨量が減っているということはたくさんあるわけです。骨の検査を、血液で検査でする場合は、吸収系と形成系、吸収していく方と作る方のそれぞれのマーカーがありまして、形成する方で著名なのは、骨型のアルカリフォスファターゼです。吸収系のものですと、I型コラゲンの分解産物であるデオキシピリジノゲン(DPD)により吸収系が亢進しているかどうかの診断ができるわけです。

 

提供 : 株式会社スズケン



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