→ 番組表はこちら
→ストリーミング版はこちら
<スズケンDIアワー> 平成20年6月19日放送内容より スズケン

アンジオテンシンII受容体拮抗薬イルベサルタン


横浜市立大学大学院病態制御内科学 教授
梅村 敏

icon ARBの優位性

 最初に降圧薬の中でのアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の位置づけについてまとめてみます。
 降圧薬には作用メカニズムの異なる主要な6種類があります。すなわち、Ca拮抗薬、利尿薬、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、β遮断薬、α遮断薬、それと本日のテーマであるイルベサルタンが属するARBです。これらの薬剤による降圧は高血圧患者の予後改善効果が期待できます。この中でARBは副作用が少なく、心臓・腎臓などの臓器保護効果のエビデンスが多いことより本邦ではその使用量は急激に増加しています。

降圧薬の中でARBの優位な点

 降圧薬の中でのARBの優位な点をまとめてみます。
 まず、心臓、脳、腎臓、糖尿病の順に述べます。心臓では、心不全抑制効果、心肥大抑制効果や、心房細動発症抑制効果のエビデンスが蓄積されています。脳では、脳卒中発症抑制作用や、再発抑制作用が証明されています。
 腎臓では蛋白尿抑制作用や、腎機能悪化抑制作用のエビデンスが蓄積されています。今回のテーマであるイルベサルタンを用いた大規模臨床試験IDNTとIRMA2も糖尿病性腎症を対象に行われた試験です。この分野の重要なエビデンスとなったもので、後ほど詳しく述べます。
 糖尿病発症抑制やインスリン抵抗性改善作用についても報告が多くあります。
 さらに、高血圧発症前の血圧値130-139/85-89mmHgのpre-hypertensionに投与し、高血圧の発症を一部抑制できたとするTROPHY試験も興味が持たれています。
 また、副作用が他の降圧薬に比べ少なく、その結果、患者さんのコンプライアンスもよいことが証明されています。

 

提供 : 株式会社スズケン



1 2 3 次項へ