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<スズケンDIアワー> 平成20年7月17日放送内容より スズケン

関節リウマチ治療薬トシリズマブ


大阪大学大学院生命機能研究科免疫制御学講座 教授
西本 憲弘

icon トシリズマブの臨床効果

 トシリズマブは純国産の抗体医薬で、他の生物学的製剤と異なり、すべての臨床試験がわが国で行われ、有効性と安全性についても詳細な検討がなされました。

トシリズマブによる症状改善

 第II相臨床試験では8mg/kg体重のトシリズマブを4週間毎に使用すると、すでに最初の評価ポイントである4週目には明らかな症状の改善が見られ、治療効果は次第に増強します。

ACR20

 米国リウマチ学会の改善基準であるACR20(臨床症状や検査値が20%以上改善する)による評価では、12週時点で、プラセボ群が11%であったのに対し、トシリズマブ群 では78%と明らかな違いが見られ、また、8mg/kg は4mg/kg 群よりも優れていたことから、8mg/kg体重のトシリズマブを4週毎に使用するのが至適用法・用量であることがわかりました。

SATORI

 また、第V相の臨床試験SATORIは、RA治療の標準薬であるメトトレキサート(MTX)でも効果が不十分なRA患者に、MTXを対照薬として行われ、最終観察の24週時点でACR20を達成した患者の割合は、MTX群が25%に対しトシリズマブ単独療法群で80%と有意に高く、他のすべての有効性の評価項目においてもMTX群に比べて優位性が確認されました。

SAMURAI

ACR改善基準達成率の推移

 さらに、罹病期間5年以内の比較的早期RA患者を対象にした、トシリズマブ単独療法による関節破壊抑制効果の検討試験SAMURAIにおいても、トシリズマブはコントロール群に比べてACR20、50、70のすべてで優位性を示しました。

Total Sharp Scoreに基ずく関節破壊の変化賞の分布

 レントゲン上での骨・関節破壊の1年間の変化量は、従来の抗リウマチ薬による治療群にくらべてトシリズマブ群で有意に抑制されており、トシリズマブは、単独療法であっても関節破壊の進行抑制効果において既存の抗リウマチ薬よりも優れていることが明らかになりました。海外で開発されたTNF阻害薬は効果を十分に発揮させるにはMTXの併用が必要ですが、トシリズマブは単剤で明らかな有効性が見られるのが大きな違いです。
 以上の結果からIL-6阻害療法はMTXの併用を必ずしも必要とせず、単独療法であってもRA臨床症状に対する改善効果ならびに関節破壊の抑制効果を有することが確認されました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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