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<スズケンDIアワー> 平成20年8月7日放送内容より スズケン

帯状疱疹治療薬ファムシクロビル


東京慈恵会医科大学附属青戸病院皮膚科 教授
本田 まりこ

icon 臨床試験成績結果について

 本邦で実施したファムシクロビルの帯状疱疹患者対象の前期及び後期第II相試験においてファムシクロビルの安全性及び有効性が示されました。また、後期第II相試験の結果から、1回250mg 1日3回投与群と1回750mg 1日3回投与群は1回75mg1日3回投与群より高い有効性を示し、250mg群と750mg群はほぼ同程度の有効性、安全性を有すると判断しました。この結果に基づき、第III相試験の用法・用量を1回250mg1日3回7日間投与として、アシクロビル(1回800mg1日5回7日間投与)を対照とした二重盲検比較試験を実施しましたが、第III相試験の結果、ファムシクロビル群とアシクロビル群の有効率は、それぞれ84.4%、87.2%であり、非劣性は検証されませんでした。
 以上の経緯から、ファムシクロビルの帯状疱疹に対する有効性の再確認を目的として「帯状疱疹患者を対象としたファムシクロビルの追加第III相臨床試験(ファムシクロビル1回500mg1日3回投与及びアシクロビル1回800mg1日5回投与の非劣性検証を目的とした多施設共同二重盲検並行群間比較試験)」を2004年5月より2005年11月まで実施しました。
 主要評価項目を「病変部位が完全痂皮化するまでの日」とし、すなわち病変部位の紅斑・丘疹、小水疱、膿疱、びらん・潰瘍が全て消失し、痂皮のみが観察された最初の観察日を完全痂皮化日としました。
 小水疱又は膿疱が観察されなかった被験者については、丘疹が紫紅色化した最初の観察日を完全痂皮化日としました。
 その他副次評価項目として
(1)新たな皮疹の形成が停止した日
(2)小水疱が消失した日
(3)ウイルスが消失した日
(4)疼痛が消失した日
(5) PHNへの移行の抑制効果
を選び、Cox比例ハザード回帰分析によりアシクロビル群に対するファムシクロビル群のハザード比とその両側95%信頼区間を算出しました。
登録症例475例のうち、ファムシクロビル群への割付け例は235例、投与症例は233例であり、アシクロビル群への割付け例は240例、投与症例は238例でありました。
主要評価項目の解析結果について述べます。

主要評価項目

 有効性の主要評価項目として、「病変部位が完全痂皮化するまでの日数」を選びましたが、解析結果、ハザード比の点推定値と両側95%信頼区間は1.080(0.888〜1.312)であり、信頼区間の下限が本治験開始前に設定した非劣性限界である0.87を上回り、ファムシクロビル群のアシクロビル群に対する非劣性が検証されました。
 次いで副次評価項目の解析結果について述べます。

副次評価項目

 ハザード比の点推定値と両側95%信頼区間は「新たな皮疹の形成が停止するまでの日数」では、0.986(0.777〜1.252)。「小水疱が消失するまでの日数」では、0.939(0.762〜1.157)。「ウイルスが消失するまでの日数」では0.964(0.766〜1.215)。「疼痛が消失するまでの日数」(28日後まで)では1.035(0.836〜1.283)であり、「疼痛が消失するまでの日数」およびファムシクロビル群のアシクロビル群に対するハザード比はいずれも1の近傍を示し、両群間に顕著な差異は認められませんでした。

副次評価項目:治験開始12週後の疼痛残存率の推定

 12週間後の疼痛残存例数及び疼痛残存率は、ファムシクロビル群では7例(4.9%)、アシクロビル群では6例(4.2%)であり、両群間に差異は認められませんでした。

 

提供 : 株式会社スズケン



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